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明るい校舎の廊下に、リュックを背負った制服姿の生徒がひとり立っている後ろ姿。これから通う学校を思い描く場面のイメージ 🏫 園・学校生活
園・学校生活 公開: 2026年6月9日 更新: 2026年9月29日

発達障害・グレーゾーンの高校選び|5つの通い方の違いと、わが子に合う決め方

この記事の目次
  1. 5つの通い方を事実で比べる(順位なし)
  2. 不登校から/内申と配慮/通い方で比べる
  3. 資料請求の前に知っておくこと
  4. ひとりで決めなくていい。無料で頼れる相談先
  5. まとめ

三者面談の日程が届いた。クラスの子はもう志望校の話をしているのに、わが子は「どこでもいい」としか言わない。全日制に毎日通えるのかという不安と、通信制にしたら将来が狭まるのではという不安のあいだで、夜になると検索が止まらない。

その迷いは、子どものことを真剣に考えているからこそ出てくるものです。先に結論をお伝えします。発達障害やグレーゾーンの子の高校選びは、偏差値よりも「どう通うか」で比べると決めやすくなります。 通い方が本人に合っていれば、3年間を続けやすくなるからです。

この記事では、5つの通い方を公的資料の事実だけで表にして比べます。そのあとに、悩みの入り口ごとの記事案内、資料請求の前に知っておくこと、無料で頼れる相談先の順にまとめます。

5つの通い方を事実で比べる(順位なし)

中学卒業後の行き先を通い方で分けると、全日制・定時制・通信制・サポート校・特別支援学校高等部の5つになります。このうちサポート校だけは学校教育法の学校ではなく、通信制高校と組み合わせて使う民間の施設です。 表はどれが上という順位ではなく、同じ5つの項目で横に見比べるためのものです。

通い方登校日数の目安入試・内申の扱い配慮の相談先費用の公開のされ方資料の入手先
全日制高校平日に毎日通う。授業は年間35週・週30単位時間が標準調査書(内申)と学力検査の成績などをもとに校長が合否を決める。公立の学力検査は教育委員会が行う入試は在籍する中学校を通して志望校へ(私立は学校に直接)。入学後は高校の通級も使える(年7単位まで)公立の授業料は年11万8,800円で就学支援金の上限と同額(所得制限なし)。私立は学校ごとに公表、就学支援金の上限は2026年度から年45万7,200円(所得制限なし)都道府県教育委員会の入試要項と学校案内。私立は各校の説明会と資料請求
定時制高校夜間や昼間の決まった時間帯に平日通う。1日の授業時数は生徒の状況に合わせて学校が定める。夜間の学校が約7割全日制と同じ仕組み。3月下旬に定時制の再募集を行う都道府県がある(東京都の2026年春は3月23日出願)全日制と同じ。入試は中学校を通して申請し、入学後は学校へ公立の授業料は都道府県が定め、就学支援金の上限は年3万2,400円。私立の上限は全日制と同じ年45万7,200円都道府県教育委員会の入試要項。再募集の日程も同じところに出る
通信制高校スクーリングと試験の日以外は自宅学習が中心。週1日コース128校・週5日コース90校・集中型113校(2025年度・323校中)面接296校・書類230校・学力検査91校(同じ調査)。公立は都道府県教育委員会の日程、私立は学校ごと学校ごとに相談。私立は学校へ直接、公立は都道府県の入試の決まりに沿う授業料は学校ごとに公表。就学支援金の上限は公立が年6,240円、私立が年33万7,200円。連携する施設の費用が別にかかる場合がある文部科学省の通信制高校サイトの学校検索(2026年4月時点)で所在地とコースを調べ、資料は各校へ(例: 【N高等学校】)
サポート校施設ごとに決める。文部科学省の案内では、通信制高校と連携してスクーリング以外の日の学習や相談を支える「学習等支援施設」高校ではないので入試の制度はない。高卒資格のための出願は在籍する通信制高校へ行う施設へ直接。民間の事業者にも2024年4月から合理的配慮の提供が義務施設ごとの料金。通信制高校の授業料とは別にかかる可能性があると文部科学省が案内している(就学支援金は高校の授業料が対象)文部科学省の学校検索で「学習等支援施設」として連携先を調べられる。資料は施設へ請求
特別支援学校高等部平日に通学。授業は年間35週が標準。1学級8人が標準で、寄宿舎のある学校もある都道府県教育委員会の入学者選考。対象の障害と程度は政令で決まり、東京都の知的障害校では療育手帳の写しか医師の記録が出願書類障害に応じた教育が前提。入学前の相談は都道府県教育委員会と志望校へ就学支援金の上限は公立が年4,800円、私立が年45万7,200円。通学費や学用品費は就学奨励費で所得に応じて補助設置する都道府県教育委員会の学校一覧と選考の案内。各校の説明会

表の内容は、学校教育法と同施行令・施行規則、高等学校と特別支援学校高等部の学習指導要領、文部科学省の通信制高校情報サイトで確かめました。数字は文部科学省の令和7年度通信制高校実態調査と公立高校入学者選抜の状況調査、就学支援金の新制度資料、東京都教育委員会の入試案内によるものです。確認日は2026年9月29日です。

表の見方を2つだけ補足します。卒業したときに残る資格は、全日制・定時制・通信制のどれも同じ高校卒業です。 文部科学省も、通信制を卒業すると全日制や定時制と同じ高等学校卒業になると案内しています。特別支援学校高等部は高校に準ずる教育を行う学校で、高等部の卒業になります。サポート校に通う場合も、卒業資格は在籍する通信制高校で取る単位で決まります。

もう1つは卒業までの年数です。全日制は3年、定時制と通信制は3年以上と法律で決まっています。定時制は1989年から3年で卒業できる形になり、午前・午後・夜間の三部制で3年卒業をめざす学校が増えました。このほか、調理や美容などの技能を毎日通って学ぶ高等専修学校という道もあります。修業年限3年以上などの要件を満たし文部科学大臣が指定した学科なら、修了すると高校卒業者と同じように大学入学資格が得られます。

💡 表からいえること

高校卒業の資格は、全日制・定時制・通信制で同じです。違うのは通い方と入試の形で、どれが上という順位はありません。本人に合う通い方が見つかれば、3年間を続けやすくなります。

木の柱が並ぶ校舎の外廊下に、やわらかな自然光が差し込んでいる。高校選びは、毎日通う場所を思い描くところから

不登校から/内申と配慮/通い方で比べる

表で気になった行を、悩みの入り口ごとに深掘りできる記事にまとめました。読むのは、いまの困りごとに近い1つの節だけで十分です。

不登校から進学を考えるとき

出席日数と内申点が気になる方へ。2025年度の公立高校入試では、調査書の出欠の記録を選抜の資料に使わない扱いを、9つの都道府県が全校で、2つの都道府県が一部の学校で行いました。欠席を問わない入試の例と、中3の秋冬からの動き方は不登校の中学生の高校受験にまとめています。通信制高校は、2025年度の入学者の57.0%が中3のときに不登校だった学校です。合いやすい子とつまずきやすい子の見きわめは通信制高校は発達障害の子に向いている?を読んでみてください。

内申と配慮が気になるとき

支援級に在籍していても、高校受験はできます。評定の付き方と入試での扱いは支援級でも高校受験はできるに整理しました。別室受験や時間延長などの申請は、多くの地域で中学校を通して出します。2022年度の公立高校入試では、全国で3,752人の生徒が受検上の配慮を受けました。申請の流れと締切は高校受験で頼める配慮、中学校でいま受けられる支援は中学生になってからの発達障害で確かめられます。知的級・情緒級からの進路が気になる方は情緒級と知的級の違いも参考になります。

通い方そのものを比べたいとき

登校日数を選べる通信制と、通信制に組み合わせるサポート校の違いはサポート校とは?通信制高校との違いで、費用が二重になる仕組みまで書いています。特別支援学校と特別支援学級のどちらが合うかを考え直したいときは特別支援学校と特別支援学級の違いへ。中学校に上がる段階での相談の流れは中学の就学相談はいつから?にあります。

資料請求の前に知っておくこと

気になる学校が見つかったら、次は資料請求です。資料請求は入学の申込ではありません。 取り寄せてから比べ、合わなければそのままにしてかまいません。よくある不安を、先に短く答えておきます。

資料請求をすると、入学の申込になりますか?

なりません。資料請求は、パンフレットや募集要項を送ってもらう手続きです。出願は別の手続きなので、資料を取り寄せただけで入学の義務が生じることはありません。

資料は無料ですか?

多くの学校で無料です。公立高校の募集要項は都道府県教育委員会のサイトで公開されていて、私立や通信制は各校のフォームから請求するのが一般的です。念のため、送信前に案内文に費用の記載がないかを見ておくと安心です。

電話番号は入力しないといけませんか?

氏名・住所・電話番号・メールアドレスの入力を求めるフォームが多いです。資料の発送後に、学校から電話やメールで説明会の案内が来る場合があります。連絡が負担なら、「検討中です」と一言返すだけで十分です。

資料が届いたら、どこを見ればいいですか?

上の表と同じ5つの項目で見ると、学校どうしを比べやすくなります。

✅ 資料で見る5つの項目

  • 登校日数:コースごとの週の登校日と、スクーリングの形(通学・集中・オンライン)
  • 入試の形:面接・書類・学力検査のどれか。出願の時期と回数
  • 配慮の窓口:入学前に誰に相談できるか。診断書が必要か
  • 費用の総額:授業料のほかに、教材費・スクーリングの交通費・連携する施設の費用
  • 卒業までの道:必要な単位の取り方と、卒業生の進路が公表されているか

通信制の中には、時間割のないネットコースと、週1日から週5日まで通うコースから通い方を選べる学校もあります。【N高等学校】の資料(無料)を取り寄せて、表の「登校日数」の行と見比べる材料にしてみてください。資料請求は入学の申込ではないので、合わなければ申し込む必要はありません。

通信制高校の具体例としては、N高は発達障害・グレーゾーンの子に向く?でサポートの仕組みを、N高の学費はいくら?で3年間の総額と就学支援金の差し引き方を、公式情報だけで整理しています。

ひとりで決めなくていい。無料で頼れる相談先

高校選びは、家族だけで抱えなくて大丈夫です。最初の相談先は、中学校の担任と特別支援教育コーディネーターの先生です。 入試の配慮の申請も、多くの地域で中学校を通して出します。進路の情報をいちばん多く持っているのは、毎年生徒を送り出している中学校です。

学校に話しにくいときは、ほかにも無料の窓口があります。

  • 都道府県の教育委員会の相談窓口:公立高校と特別支援学校の制度、入試の仕組みを聞ける。東京都には都立高校入試相談コーナーと、教育相談センターの高校進級・進路・入学相談がある
  • 発達障害者支援センター:本人の特性をふまえて、進路や生活の困りごとを一緒に整理してくれる。都道府県や指定都市に設けられている
  • 発達障害ナビポータル:国が運営する情報サイト。入試の配慮は、公立なら自治体の教育委員会へ、私立なら学校へ直接問い合わせるよう案内している
  • スクールカウンセラー:本人の気持ちの整理や、親子の意見が合わないときに間に入ってもらう相手として頼れる

年齢別の相談先の一覧と、電話での切り出し方は発達障害の相談窓口はどこ?にまとめています。

まとめ

  • 高校卒業の資格は全日制・定時制・通信制で同じ。違いは通い方と入試の形で、順位はない
  • サポート校は学校ではなく、通信制高校と組み合わせる民間の施設。費用は高校の授業料とは別にかかる
  • 特別支援学校高等部は都道府県教育委員会の選考で、対象になる障害と程度は政令で決まっている
  • 2026年度から就学支援金の所得制限がなくなり、公立の全日制は年11万8,800円、私立は年45万7,200円(私立通信制は年33万7,200円)が上限
  • 資料請求は入学の申込ではない。届いたら、表と同じ5つの項目で比べる

今夜はここまでで大丈夫です。明日、表の中で気になった行を1つだけ選んで、担任の先生への連絡帳に「◯◯の通い方について相談したい」と一言書いてみてください。

よくある質問

特別支援学校の高等部は、発達障害があれば誰でも入れますか?

そうとは限りません。特別支援学校の対象は視覚障害・聴覚障害・知的障害・肢体不自由・病弱の5つで、障害の程度は学校教育法施行令で定められています。知的な遅れのない発達障害だけの場合は対象にならないことがあり、東京都の知的障害特別支援学校高等部(就業技術科など)では療育手帳の写しか医師の診察記録が出願書類です。早めに都道府県の教育委員会へ確かめてください。

資料請求をすると、その学校に入学を申し込んだことになりますか?

なりません。資料請求はパンフレットや募集要項を取り寄せる手続きで、出願や入学の手続きとは別です。多くの学校で資料は無料で、届いたあとに学校から説明会の案内などの連絡が来る場合があります。合わなければ、そのまま申し込まなくてかまいません。

就学支援金は通信制高校や特別支援学校の高等部でも使えますか?

使えます。高等学校等就学支援金は高校の授業料に充てる制度で、通信制高校も特別支援学校の高等部も対象の校種です。2026年度から所得制限がなくなり、支給の上限は公立の全日制で年11万8,800円、私立は年45万7,200円、私立の通信制は年33万7,200円です。サポート校のように高校ではない施設の料金は、この制度の対象になる授業料ではありません。

通信制高校の入試に学力検査はありますか?

学校によります。文部科学省の2025年度の実態調査では、全国323校のうち面接で選ぶ学校が296校、書類で選ぶ学校が230校、学力検査を行う学校が91校でした。1つの学校が複数の方法を組み合わせることも多いので、出願を考えている学校の募集要項で確かめてください。

定時制高校は夜だけの学校ですか?

夜間だけとは限りません。学校教育法では、夜間その他特別の時間や時期に授業を行う課程が定時制です。文部科学省の委託調査(2024年)では、定時制416校のうち夜間が288校、昼間が45校、午前・午後・夜間などの多部制が83校でした。修業年限は3年以上で、3年で卒業できる学校もあります。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。