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窓辺のテーブルでノートパソコンに向かう人の後ろ姿。外には住宅街が見える。高校の資料を家で調べているイメージ 🏫 園・学校生活
園・学校生活 公開: 2026年5月11日 更新: 2026年10月13日

不登校の中学生が高校を選ぶとき|出席日数と内申の扱い・通信制高校の選び方・資料請求で確かめる7つのこと

この記事の目次
  1. 不登校の中学生の高校選びは「受けられるか」より「どの入り方か」から
  2. 出席日数と内申はどう扱われる?調査書の仕組みと国の方針
  3. 都道府県で扱いが違う|千葉県・愛知県の例と全国の数字
  4. 通信制高校という選択肢の仕組み|国の情報発信サイトで調べる
  5. 通信制高校の選び方の手順|候補を2〜3校にしぼる5ステップ
  6. 資料請求・手続きの流れ(資料請求できる学校の例:N高)
  7. 資料請求で確かめる7つのこと
  8. まとめ

三者面談で「このままだと受けられる高校が」と言われ、帰り道で何も返せなかった。夜、スマホで「不登校 高校」と打っては消し、また打っている。本人には聞けないまま、カレンダーの欠席の印だけが増えていく。

その不安の正体は、たいてい3つに分かれます。出席日数が足りるのか、内申がつくのか、そもそも受験できるのか。どれも、国の通知と都道府県の仕組みを知ると、不安の大きさが変わります。

この記事では、調査書に出席日数と内申がどう書かれ、入試でどう使われるかを文部科学省の資料で整理します。そのうえで、通信制高校の仕組みと選び方の手順、資料請求で確かめる7つのことまでをまとめました。入試の具体例や中3の秋からの動き方は、不登校の中学生の高校受験に分けています。

不登校の中学生の高校選びは「受けられるか」より「どの入り方か」から

最初にお伝えしたいのは、不登校でも高校に進む道は閉じていないということです。文部科学省は2019年の通知で、高校で学ぶ意欲や能力のある不登校の生徒を適切に評価することが望ましいと、都道府県の教育委員会などに示しています。

だから、考える順番は「受けられるか」ではなく「どの入り方にするか」です。選択肢は大きく3つに分かれます。

入り方出席日数・内申との関係先に調べること
公立の全日制・定時制(一般の入試)都道府県ごとに、出欠の記録を使わない・自己申告書を出せるなどの仕組みがあるお住まいの県の入試要項
公立の不登校向けの特別な選抜県によって、調査書の一部を使わない選抜や、学力検査を課さない選抜がある県教育委員会の案内
通信制高校(公立・私立・株式会社立)面接や書類で選考する学校が多く、学力検査を行う学校は323校中91校。出席日数の条件を公式に書いていない学校もある文部科学省の学校検索と各校の募集要項

💡 ここだけ覚えておけば大丈夫

国は、不登校の生徒を高校入試で適切に評価することが望ましいと、都道府県の教育委員会などに示しています。出席日数が足りないから受けられない、という全国一律の線はありません。

出席日数と内申はどう扱われる?調査書の仕組みと国の方針

調査書に何が書かれるかと、それを入試でどう使うかは、別の話です。 ここを分けると、不安がかなり整理されます。

調査書(内申書)は、中学校が指導要録という公式の記録をもとに作る書類です。多くの都道府県では、各教科の評定(内申点)と、出欠の記録が載ります。文部科学省の2025年度の調査では、調査書に出欠の記録そのものを求めない都道府県が10、一部の学校で求めない都道府県が2ありました。調査書の出欠の記録を選抜の資料に使わない都道府県も、全校で9、一部の学校で2あります。

内申点は、欠席が長いと評定を付けられない教科が出ることがあります。ここに関わるのが、欠席中の学習を記録に残す国の仕組みです。教育支援センターなど学校の外での相談・指導と、自宅でICTを使った学習は、条件を満たせば校長の判断で指導要録上の出席扱いにできます。どちらも保護者と学校の連携が前提で、出席扱いにした日数は指導要録に出席日数の内数として書かれます。

さらに2024年8月の法令改正で、欠席中に家や学校の外で行った学習の成果を、学校の判断で成績評価に反映できることが法令上はっきりしました。条件は、学習の計画や内容が学校の教育課程に照らして適切なこと、学校と保護者などの連携、学校が本人の学習の様子を定期的に把握して関わり続けることの3つです。

つまり、調査書は空欄のまま出すしかない書類ではありません。別室登校の日がどう記録されているか、家での学習を出席や評価に入れてもらえるかを、担任に聞くところから変えられます。朝起きられずに欠席が重なっている場合の相談の順番は、朝起きられない・遅刻が続く中学生にまとめています。

都道府県で扱いが違う|千葉県・愛知県の例と全国の数字

入試での扱いは、都道府県ごとに決まっています。 文部科学省の調査にも載っている2つの県の、公式の案内を例にします。

千葉県は、2026年春の公立高校入試から調査書の記載項目を見直し、出欠の記録など4項目を削除しました。県教育委員会は、不登校の経験がある生徒について、在籍校での出席の状況だけで不利益な扱いをしないと明記しています。欠席が多い理由を説明したいときは自己申告書を出すことができ、出したことで不利になることはないとも書かれています。

愛知県は、公立高校の全日制の一般選抜と定時制・通信制の全ての高校・学科で「長期欠席者等にかかる選抜方法」を実施しています。対象は、中学3年の欠席等の日数が、出席しなければならない日数の半分以上の人です。この欠席等の日数には、保健室などへの別室登校、教育支援センターで相談・指導を受けた日、自宅でICTを使って学習した日も含まれます。申請すると、面接を行う高校では個人面接になり、調査書の学習の記録は参考として扱われます。出願時にWeb出願システムで申請し、欠席の理由や志望の動機を書いた「欠席に関する自己申告」を登録します。

全国では、学校の外や家庭での学習の様子などを本人が書く自己申告書を出せる仕組みを、26の都道府県が全校で設けています。一方で、調査書を使わない特別な選抜を全校で行う都道府県は1つで、一部の学校で行う都道府県が5つです。同じ「不登校への配慮」でも、中身は県でまったく違います。 お住まいの県の入試要項か県教育委員会のページで、次の3点を確かめてください。

  • 調査書に出欠の記録が載るか。載っても選抜に使われるか
  • 自己申告書や長期欠席者向けの申請があるか。その欠席日数の条件は何か
  • 申請は本人が出すのか、中学校を通すのか

通信制高校という選択肢の仕組み|国の情報発信サイトで調べる

通信制高校は、全日制・定時制と同じ高等学校で、卒業すれば同じ高校卒業になります。 文部科学省が運営する「通信制高等学校情報発信サイト」が、仕組みの説明と全国の学校検索をまとめています。

学び方は、レポート(添削指導)、スクーリング(面接指導)、試験、動画を見て課題を出すメディア学習の4つの組み合わせです。メディア学習でスクーリングの時間数の10分の6以内を免除できる仕組みがありますが、スクーリングがゼロになるわけではありません。毎日通わない代わりに、決まった日に学校か連携する施設へ行く必要があります。

項目通信制高校の仕組み(文部科学省の説明)
登校スクーリングと試験の日以外は、自宅などでの自学自習が中心
単位卒業には74単位以上。1単位あたりの添削回数と面接指導の時間が教科ごとに決まっている
連携施設本校以外に、面接指導や試験を行う施設と、相談や学習支援を行う施設(サポート施設)がある
費用授業料とは別に、連携施設が独自に行う活動の費用がかかることがある
卒業後2024年度の卒業者の約29%が大学等へ進学

同じサイトの学校検索では、本校の所在地、連携施設の所在地、公立・私立・株式会社立の別、学科などで絞り込めます。掲載情報は2026年4月1日時点です。文部科学省の2025年度の実態調査では、通信制に入学した生徒の57.0%が中3のときに不登校でした。スクールカウンセラーに相談できる体制を整えている学校は、323校のうち273校です。

学校ごとの違いが大きいのが通信制の特徴です。特にサポート施設を使う場合は、授業料とは別の費用がかかる点を見落としがちです。授業料から国の就学支援金がどう差し引かれ、何が別にかかるかを公式の学費表で計算した例は、N高の学費と就学支援金にまとめています。

通信制高校の選び方の手順|候補を2〜3校にしぼる5ステップ

選び方は、学校の魅力から入らず、わが子がつまずく場面から逆算します。 順番は次のとおりです。

1
つまずく場面を3つ書き出す朝の時刻、人の多い教室、計画を立てること、初めての場所など。本人の言葉があればそれを使う。
2
国の学校検索で通える範囲を見る本校と連携施設の所在地で絞り、公立か私立か、学科も見る。
3
登校の形で分ける週に通う日数を選べるか、集中スクーリングか、連携施設はどこか。朝の時刻も見る。
4
資料請求して募集要項を読む出願に必要な書類、選考の方法、学費、スクーリングの会場と日数を同じ表に写す。
5
個別相談で7つのことを聞く下の質問リストを持って行き、答えをメモする。2〜3校を同じ物差しで比べる。

ステップ1がいちばん大事です。朝の決まった時刻がつらい子と、人の多い教室がつらい子では、合う登校の形が違います。ステップ3では、見た目の自由さより、止まったときに誰からどう連絡が来るかを見ておいてください。

資料請求・手続きの流れ(資料請求できる学校の例:N高)

通信制の資料請求がどんな流れかを、公式サイトに手順が書かれているN高等学校(N高)を例に見ていきます。学校法人角川ドワンゴ学園が運営する通信制の高校で、公式サイトによると、入学できるのは新入生・編入生・転入生です。公式のよくある質問に、中学校の出席日数に関する条件は書かれていません(2026年10月13日確認)。

公式の資料請求フォームには、パンフレットと募集要項などを無料で届けると書かれています。入学案内のページによると、生徒募集要項と出願の必要書類も同封されます。資料請求は募集要項を取り寄せる手続きで、出願そのものではありません。

出願の流れは、公式の入学案内によると、募集要項を読み、出身中学校に必要書類(調査書など)の記入を頼み、Web出願でN高・S高・R高のどれか1校を選んで登録し、入学検定料5,000円を納めて、選考の結果を待つ順です。2027年4月入学のネットコースの出願は、2026年9月から2027年2月にかけて4期に分かれています。ネットコースと通学コースのオンラインキャンパスは書類選考のみで、通学コースのリアルキャンパスは筆記と面接があります。

出願で中学校に書いてもらう調査書には、「就学上、とくに配慮すべき事項など」をできるだけ詳しく書く欄があります。都道府県指定の調査書でも出せますが、出席日数など記入内容に不足があれば追記するよう案内されています。募集要項に書かれた選考の方法と学費を、ほかの学校の要項と同じ表に写すところから始められるので、まず【N高等学校】の資料を取り寄せて、手元に置いてみてください。

木の机で茶色い封筒を手にしている大人の手元。届いた学校の資料を開くイメージ

資料請求で確かめる7つのこと

資料が届いたら、募集要項を読みながら、個別相談で次の7つを聞いてみてください。不登校の子の進路で差が出るのは、通い方の自由さより、止まったときの仕組みです。

✅ 資料請求のあと、個別相談で聞く7つ

  • 出願で中学校の出席日数は見るか。見るなら、どの書類で、何を基準にするか
  • 中学で欠席が続いた経緯を、入学後の担当者にどこまで伝えておけるか
  • スクーリングの会場はどこで、年に何日か。朝は何時からか
  • レポートが止まったとき、誰から、どの手段で、いつ連絡が来るか
  • スクールカウンセラーなど、本人が相談できる先はあるか
  • 授業料のほかに、連携施設やコースでかかる費用はいくらか
  • 入学後に通えない時期が続いたとき、在籍や進級はどうなるか

1つ目と2つ目は、この記事で見てきた出席日数と欠席の経緯の話です。公式サイトに書かれていなくても、個別相談で聞くことはできます。3つ目と4つ目は、通信制でつまずきやすい点そのものです。文部科学省の実態調査では、2024年度にレポートは出しているのにスクーリングに1日も来ていない生徒が、在籍者の2.6%いました。発達障害・グレーゾーンの特性に引きつけた聞き方は、N高は発達障害・グレーゾーンの子に向く?にまとめています。答えをメモしておけば、ほかの学校の説明会でも同じ物差しで比べられます。手元に募集要項があると質問が具体的になるので、【N高等学校】の資料(無料)を先に取り寄せ、7つの質問を書き込んでから個別相談に行ってみてください。

まとめ

  • 国は、不登校の生徒を高校入試で適切に評価することが望ましいと都道府県の教育委員会などに示している。出席日数の全国一律の線はない
  • 調査書に出欠の記録を求めない都道府県が10、載せても選抜に使わない都道府県が9ある。扱いは県ごとに違う
  • 千葉県は公立高校の調査書から出欠の記録を削除し、愛知県は公立高校の全校で長期欠席者向けの選抜方法を実施している
  • 通信制は全日制と同じ高校卒業。学び方と費用は学校で大きく違うので、国の学校検索と募集要項で比べる
  • 資料請求は無料で、出願ではない。届いた要項を読んで、7つの質問を個別相談で聞く

今夜はここまでで大丈夫です。明日、気持ちに余裕があるときに、わが子がつまずく場面を1つだけ、スマホのメモに書いてみてください。それが、学校を比べる物差しの1つ目になります。

よくある質問

不登校で出席日数が足りないと、高校は受験できませんか?

出席日数が足りないと受験できない、という全国一律の基準はありません。文部科学省は2019年の通知で、高校で学ぶ意欲や能力のある不登校の生徒を適切に評価することが望ましいと、都道府県の教育委員会などに示しています。2025年度の国の調査では、調査書に出欠の記録を求めない都道府県が10、出欠の記録を選抜の資料に使わない都道府県が9ありました。扱いは県ごとに違うので、お住まいの県の入試要項で確かめてください。

内申点が付かない教科があると、通信制高校にも入れませんか?

文部科学省の2025年度の実態調査では、通信制高校323校のうち面接で選考する学校が296校、書類で選考する学校が230校で、学力検査を行う学校は91校でした。選考の方法は学校ごとに募集要項で決まっています。N高の場合、公式サイトのよくある質問に中学校の出席日数に関する条件は書かれておらず、ネットコースは書類選考のみです(2026年10月13日確認)。気になる学校には、個別相談で出席日数や評定の見方をそのまま聞いてください。

通信制高校の資料請求をすると、入学の申し込みになりますか?

なりません。資料請求は募集要項やパンフレットを取り寄せる手続きで、出願は別にWeb出願や書類の提出が必要です。N高の公式フォームでは、パンフレットと募集要項などが無料で届くと案内されています。届いた要項を読んで、ほかの学校と同じ表で比べる材料にしてください。

通信制高校は、まったく登校しなくても卒業できますか?

できません。文部科学省の説明では、通信制はレポート、スクーリング(面接指導)、試験で学ぶ仕組みで、動画などのメディア学習で免除できるのはスクーリングの時間数の10分の6以内(特に必要な場合でも10分の8以内)です。年に何日、どこの会場に行くのかは学校ごとに違うので、資料請求と個別相談で確かめてください。

自己申告書には何を書けばいいですか?

県によって中身は違いますが、欠席が多い理由や志望の動機、高校生活への抱負を本人が書く書類として設けている県があります。千葉県は、提出したことで不利益な扱いをしないと公式に明記しています。愛知県のように、Web出願の中で「欠席に関する自己申告」として登録する県もあります。様式と提出の方法は県ごとに違うので、担任の先生と一緒に県の入試要項を確かめてください。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。