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明るい学習スペースの丸テーブルで、ノートパソコンに向かう生徒の後ろ姿。教室以外の場所で学びながら高校進学を考えるイメージ 🏫 園・学校生活
園・学校生活 公開: 2026年6月7日

不登校の中学生の高校受験|出席日数・内申点の扱いと中3秋から動ける進学の道

この記事の目次
  1. 不登校の中学生は高校に行ける?出席日数と内申点の不安にまず答える
  2. 内申点と出席日数はどう扱われる?今からでも使える2つの制度
  3. 不登校に配慮した公立高校の入試|埼玉・神奈川・東京の例
  4. 全日制以外の選択肢|定時制・通信制・高等専修学校
  5. 中3の秋・冬、出願直前の今から動けること
  6. 中1・中2のいまなら、先に確かめておきたいこと
  7. まとめ

朝、制服に袖を通したところで動けなくなる。別室にはなんとか行けるけれど、教室には入れない。三者面談で「このままだと内申が」と言われて、帰り道に何も言えなかった。

いま、そんな毎日の中でこの記事を開いてくれたのだと思います。まず結論からお伝えします。不登校や別室登校が続いていても、高校に進学する道はあります。 内申点や出欠の記録を使わずに選ぶ公立高校の入試があり、家や学校の外での学習を出席扱いや成績に反映できる国の仕組みもあります。

この記事では、調査書に何が書かれるのか、欠席をどう扱う入試があるのか、そして中3の秋・冬のいまから何ができるのかを、順番にまとめます。

不登校の中学生は高校に行ける?出席日数と内申点の不安にまず答える

行けます。 ただし、どの入試を選ぶかで、欠席や内申点の重みが大きく変わります。ここがいちばん大事なところです。

高校入試で中学校から出される書類を調査書(内申書)といいます。多くの都道府県では、各教科の成績である評定(いわゆる内申点)に加えて、出欠の記録も書かれます。欠席が多いと評定が付きにくくなったり、出欠の記録が点数に響いたりするため、ふつうの一般入試だけを見ると不利に感じるのは自然なことです。

でも、文部科学省は2019年の通知で、高校で学ぶ意欲や能力のある不登校の生徒を適切に評価することが望ましいと、都道府県に伝えています。これを受けて、欠席や内申点に左右されにくい選び方が、公立高校の入試にも用意されるようになりました。

進学の道は、大きく分けて次の3つです。

進学の道欠席・内申点の扱い向いている場合
全日制の公立高校(不登校に配慮した選抜)県によって、内申点や出欠の記録を使わない・休んだ学年の成績を使わないなどの仕組みがある学力検査は受けられそう。毎日通う高校を目指したい
定時制・不登校経験者向けの高校調査書を出さずに作文と面接で選ぶ学校がある(東京都のチャレンジスクールなど)少人数や短い授業時間から立て直したい
通信制高校・私立高校書類と面接が中心の学校が多い。欠席の見方は学校ごとに違う毎日の登校が難しい。自分のペースで単位を積みたい

💡 ここだけ覚えておけば大丈夫

欠席が多くても、高校進学の道は閉じていません。内申点や出欠を使わない入試も、家での学習を出席扱いにする仕組みもあります。「行けるかどうか」ではなく「どの入り方にするか」を選ぶ段階です。

内申点と出席日数はどう扱われる?今からでも使える2つの制度

欠席の多さは、今からでも変えられる部分があります。 学校の外での学びを、出席や成績として記録してもらえる制度があるからです。

1つ目は、指導要録上の出席扱いです。指導要録とは、学校が一人ひとりの出欠や成績を残す公式の記録で、調査書のもとになります。対象になるのは、教育支援センター(自治体が設けている不登校の子の学びの場)や民間施設で指導を受けた日と、自宅でICTを使って学習した日です。文部科学省は2019年の通知で、こうした日を条件を満たせば出席扱いにできると示しています。決めるのは在籍している中学校の校長で、学校と家庭がきちんと連絡を取り合っていることなどが前提になります。

2つ目は、欠席中に行った学習の成果を成績に反映する仕組みです。2024年8月の法令改正で、不登校の児童生徒が学校の外や自宅で学んだ成果を、学校の判断で成績評価に入れられることがはっきり決まりました。文部科学省の通知では、次の3つをすべて満たすことが条件になっています。

  • 学習の計画や内容が、在籍校の教育課程に照らして適切と認められること
  • 学校と保護者のあいだで連携が取れていて、学習の様子を定期的に把握できていること
  • 訪問やオンラインでの相談・指導などで、学校が本人と直接関わり続けていること

どちらも、保護者が申し込めば自動的に認められる制度ではありません。まずは担任の先生に「家でやっている学習を、出席や成績に反映してもらうことはできますか」と相談するところから始まります。別室登校の場合は、別室で過ごした日がどう記録されているかも一緒に聞いておくと安心です。

不登校に配慮した公立高校の入試|埼玉・神奈川・東京の例

公立高校の入試は都道府県ごとに仕組みが違い、不登校への配慮のしかたもさまざまです。ここでは、各教育委員会が公式に案内している3つの例を紹介します。お住まいの地域の制度は、必ず都道府県の入試要項で確かめてください。

都道府県仕組みポイント
埼玉県不登校の生徒などを対象とした特別な選抜(全日制・定時制のすべての公立高校)自己申告書を出すと、調査書の学習の記録と出欠の記録を点数に使わず、学力検査・面接・自己申告書などで選ぶ
神奈川県長期の欠席を理由とする選考方法の取扱い申請中2または中3(12月まで)で、出席すべき日数の3分の1以上を欠席した場合、申請した学年の学習の記録を使わずに選考する
東京都チャレンジスクール(不登校経験者などを受け入れる昼夜間定時制の都立高校)調査書の提出は不要。自己PRカードの代わりに学校所定の志願申告書を出し、作文と面接で選ぶ

埼玉県では、2026年春の入試で、この選抜を一般募集の全日制・定時制のすべての公立高校で行いました。出願できるのは卒業見込みの生徒で、在学している中学校の校長が「この選抜に当たる」と認めることが条件です。自己申告書は中学校の校長を通して出し、個人面接もあります。

神奈川県の申請は、加点されるものでも、特別な合格枠でもありません。長く休んだ学年の成績を使わずに、ほかの資料で適正に選考してもらうための手続きです。欠席日数などの条件があるので、中学校の先生との相談が欠かせないと県も案内しています。

東京都のチャレンジスクールは、学力検査も調査書も使わず、学ぶ意欲を重視する学校です。2026年春の入試では、書類の提出が1月30日から2月5日まで、作文と面接が2月下旬でした。

このように、自己申告書や志願申告書といった「本人が自分の言葉で書く書類」が大切になる入試が増えています。休んでいた理由をうまく説明することより、高校で何をしたいかを短くても本人の言葉で書くことが中心です。

木の机で、マーカーを引いたノートに鉛筆で書き込んでいる手元。自己申告書や面接で話したいことを書き出して準備するイメージ

全日制以外の選択肢|定時制・通信制・高等専修学校

毎日の登校そのものがしんどい場合は、全日制以外の学校も最初から候補に入れておくと、気持ちがずっと楽になります。定時制と通信制は全日制と同じ「高等学校」なので、卒業すれば同じ高校卒業の資格が得られます。

  • 定時制高校:1日の授業時間が短く、少人数の学校が多い。昼の部・夜の部など時間帯を選べる学校もある
  • 通信制高校:自宅でのレポートが中心で、決まった日に登校する。登校の頻度は学校ごとに大きく違う
  • 高等専修学校:毎日通って職業の技能を学ぶ。国の指定を受けた学科なら、修了すると大学を受験する資格も得られる

それぞれの学校の違いや決め方は、発達障害・グレーゾーンの高校選びでくわしく比べています。通信制が合うかどうかで迷っているなら、通信制高校は発達障害の子に向いている?も参考にしてください。

通信制の中には、通い方を選べる学校もあります。たとえば学校法人角川ドワンゴ学園が運営するN高等学校には、時間割のないネットコースと、週1日から週5日まで通うコースがあります。【N高等学校】の資料(無料)を取り寄せて、どの通い方なら続けられそうかを本人と話す材料にできます。

通信制高校の仕組みを具体的な学校で見たい方は、N高は発達障害・グレーゾーンの子に向く?で、通い方・スクーリング・相談窓口を公式情報で整理しています。

中3の秋・冬、出願直前の今から動けること

中3の秋や冬からでも、十分に間に合います。 むしろこの時期は、選べる入試の形がはっきりしてくるので、動き出すにはちょうどよいタイミングです。やることを順番に並べると、次のようになります。

1
10月:担任に「不登校に配慮した入試」を聞くお住まいの都道府県にどんな選抜や申請があるか、使える条件と締め切りを確かめる。
2
10〜11月:出席扱い・学習の評価を相談する家や教育支援センターでの学習を記録してもらえるか、別室の日の記録も含めて確認する。
3
11〜12月:本人と見学・個別相談に行く全日制・定時制・通信制から2〜3校にしぼり、本人が「ここなら」と思えるかを見る。
4
12〜1月:自己申告書や面接の準備をする高校でやってみたいことを、本人の言葉で短く書き出しておく。
5
1〜3月:出願。二次募集や後期の募集も視野に一般入試のあとにも、定時制や通信制に出願できる時期がある。

大切なのは、1つ目の相談をなるべく早くすることです。神奈川県の申請も埼玉県の特別な選抜も、中学校を通して書類を出す仕組みなので、学校が状況を知らないと手続きが進みません。学校に行けていなくても、電話やメールで担任に連絡してかまいません。

受験が終わってからでも、道は続きます。 高校に入ってから合わないと感じた場合は、在籍したまま別の高校へ移る転入学や、退学後に入り直す編入学という方法があります。通信制高校には、年度の途中から入れる学校もあります。「この冬で全部が決まってしまう」わけではないので、今年は「本人が通えそうな場所を1つ見つける」くらいの気持ちで大丈夫です。

中学校の中で受けられる支援や相談先は、中学生になってからの発達障害|支援の相談先にまとめています。

中1・中2のいまなら、先に確かめておきたいこと

まだ中1・中2の場合は、焦らなくて大丈夫です。そのうえで、神奈川県のように中2の欠席から制度の対象になる地域もあるので、次のことを早めに確かめておくと、中3で慌てずにすみます。

  • お住まいの都道府県の入試で、調査書のどの学年の成績と出欠が使われるか
  • 不登校に配慮した選抜や申請があるか、その条件は何か
  • 家や教育支援センターでの学習を、出席扱いや成績に反映してもらえるか

支援級に在籍していて内申点の付き方が気になる場合は、支援級でも高校受験はできるも読んでみてください。

出席日数と内申の扱いから通信制高校の選び方までを一本にまとめた不登校の中学生が高校を選ぶときも、あわせて参考にしてください。

まとめ

  • 不登校や別室登校が続いていても、高校進学の道はある。どの入試を選ぶかで、欠席や内申点の重みが変わる
  • 家や学校外での学習は、条件を満たせば出席扱いや成績に反映できる。まず担任に相談する
  • 埼玉県は内申点と出欠を使わない特別な選抜、神奈川県は長く休んだ学年の成績を使わない申請、東京都は調査書不要のチャレンジスクールがある
  • 定時制・通信制・高等専修学校も最初から候補に入れると、選択肢が広がる
  • 中3の秋・冬からでも間に合い、高校に入ってからの転入・編入の道もある

今夜はここまでで大丈夫です。明日、担任の先生に「不登校に配慮した入試の仕組みが、うちの県にあるか教えてください」と、電話か連絡帳で1つだけ聞いてみてください。

よくある質問

不登校だと、全日制の公立高校には行けませんか?

行けます。埼玉県のように、不登校の生徒向けに内申点と出欠の記録を使わない選抜を全日制で行う県や、神奈川県のように長く休んだ学年の成績を使わずに選考する申請ができる県があります。仕組みは都道府県ごとに違うので、お住まいの県の入試要項で確かめてください。

別室登校の日は、出席日数に入りますか?

記録の付け方は学校が決めるため、担任の先生に「別室の日はどう記録されていますか」と聞いて確かめるのが確実です。あわせて、自宅や教育支援センターでの学習も、条件を満たせば出席扱いにできる国の仕組みがあることを知っておくと、相談しやすくなります。

私立高校は、不登校でも受験できますか?

受験はできます。欠席日数や内申点をどう見るかは学校ごとに違い、公立のように県で統一された決まりはありません。気になる私立高校があれば、個別相談で「中学で欠席が多いのですが、出願や選考ではどう見られますか」とそのまま聞いてみてください。

中学を卒業してから高校に入ることはできますか?

できます。定時制や通信制には、中学を卒業した人を受け入れる学校が多くあります。ただし埼玉県の不登校の生徒向けの選抜は卒業見込みの人が対象など、制度によっては在学中しか使えないものもあるので、卒業前に一度確かめておくと安心です。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。