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窓際の明るい教室に、問題用紙と鉛筆を置いた机が間隔をあけて並んでいる。高校入試で別室や座席の配慮を受けて受験する場面のイメージ 🏫 園・学校生活
園・学校生活 公開: 2026年9月28日

発達障害・グレーゾーンの高校受験で頼める配慮|別室・時間延長の申請と締切

この記事の目次
  1. 高校受験で頼める配慮とは?別室・時間延長・拡大・ルビの例
  2. 申請の流れ|多くの地域は中学校を通して出す
  3. 診断書がない・グレーゾーンでも相談できる?
  4. 締切が近い・過ぎていそうなときにどうする?
  5. 中1・中2のうちにできる準備|定期テストの配慮が根拠になる
  6. まとめ

模試の解答用紙を見たら、後半がまるごと空白だった。教室のざわざわが気になって、試験中に何度も手が止まったと本人が言う。定期テストでは別室で受けているけれど、本番の入試でも同じようにしてもらえるのだろうか——。

中3の秋にこの不安を抱えている方へ、先に結論です。公立高校の入試では、別室受験や時間延長、問題用紙の拡大、ルビ振りなどの「受検上の配慮」を申請できます。 申請は多くの地域で中学校を通して行い、締切は都道府県ごとに違います。診断書がない場合も、まず相談はできます。

この記事では、頼める配慮の中身、申請の流れ、診断書やグレーゾーンの扱い、締切が近いときの動き方を順番に整理します。

高校受験で頼める配慮とは?別室・時間延長・拡大・ルビの例

高校入試の配慮は、障害のある生徒が持っている力を試験で出せるように、受け方の条件を整える仕組みです。問題の難しさは変えず、受ける環境や時間、問題用紙の見え方を調整します。

文部科学省が全国の公立高校入試を調べたところ、2022年度には3,752人の生徒が配慮を受けていました。発達障害のある子にも関係が深いものを、実際に行われた件数とあわせて並べます。

配慮の種類困りごとの例2022年度の件数
別室での受験人の気配や音で集中が切れる、大勢の中で強い不安が出る1,683件
座席の指定(前方の端・出入口近くなど)視界に入る刺激で気が散る、途中で退室しやすい位置がいい973件
問題文へのルビ振り漢字の読みでつまずき、問題の意味が取れない415件
面接での話し方の配慮・面接方法の変更集団面接で順番を待つのがつらい、口頭で答えにくい370件・293件
試験時間の延長読むのや書くのに時間がかかる257件(延長のみ)
問題用紙の拡大小さい文字や細かい行を目で追うのが苦手171件
問題文の読み上げ文字を読むこと自体に強い困難がある62件
パソコンやタブレットの使用手で文字を書くのが難しい36件

同じ資料には、発達障害のある生徒への配慮の例も載っています。音に敏感な子にノイズキャンセルヘッドホンを認め、時間を1.5倍にした例。読みに困難がある子に、別室で先生が問題を読み上げた例。衝動性のある子の面接を、集団から個人に変えて順番を最初にした例などです。

合否で不利にならないか、心配になるかもしれません。文部科学省の指針では、配慮を受けたことを理由に評価で差をつけることは、不当な差別的な扱いの例に挙げられています。

東京都では、介助者として代筆者や音読者がつくことも認めています。神奈川県は、問題用紙の拡大、時間延長、別室、座席の配慮を例に挙げています。どこまで認められるかは地域で違うので、「この子にはこれが必要」という形で、具体的に相談するのが近道です。

白い机の上に問題用紙とマークシート、鉛筆が置かれている。問題用紙の拡大やルビなど、試験の受け方を整える配慮のイメージ

申請の流れ|多くの地域は中学校を通して出す

配慮の申請は、保護者が高校へ直接出すのではなく、在籍している中学校を通して出すのが基本です。 東京都も神奈川県も、中学校を通じて申請する形をとっています。

東京都の流れを例にすると、次のようになります。

1
本人・保護者と中学校で相談するいま学校で受けている配慮と、入試で必要な配慮を一緒に整理する。
2
申請書を書いて中学校長に出す東京都では決められた様式に記入し、校長が内容を確かめて承認する。
3
中学校から志望校へ届く高校は教育委員会と話し合い、配慮の内容を決める。
4
決定の通知を受け取る本人・保護者あての通知が、中学校を通して手元に届く。

締切も地域でばらばらです。文部科学省の2022年度の調べでは、申請の時期を10月としている県もあれば、2月や3月の県もありました。東京都の2026年春の入試では、申請は2025年12月19日までとなっていました。お住まいの地域の今年度の締切は、中学校か教育委員会の入試要項で必ず確かめてください。

国の同じ調べでは、47都道府県のうち40が申請先を志望する高校としていました。申請までに、志望校をある程度しぼっておく必要があるということです。志望校選びと並行して進めたい場合は、発達障害・グレーゾーンの高校選びもあわせて読んでみてください。

診断書がない・グレーゾーンでも相談できる?

結論から言うと、診断書がなくても、まず中学校に相談してかまいません。 診断書をどう扱うかは、都道府県によって違います。

文部科学省の2022年度の調べでは、入試の配慮で医師の診断書を「必ず提出」としていたのは47都道府県のうち6でした。「必要に応じて提出」が26、「提出は求めていない」が15です。診断書が必須ではない地域のほうが多い、ということになります。

診断の代わりに重く見られやすいのが、中学校での様子と、日頃どんな配慮を受けているかの記録です。 国の資料でも、申請のときに添える書類の例として、定期テストや授業での配慮を書いた書類や、個別の教育支援計画が挙げられています。東京都も、中学校で受けている配慮を十分に参考にして、一人ひとりに合わせて決めると案内しています。

実際、同じ資料には、診断を受けていない生徒が、中学校の相談をきっかけに別室で1人で受験した例も紹介されています。

💡 ここで安心してほしいこと

診断名がなくても、相談の入口は開いています。中学校で「この子はこういうときに困る」と共有できていれば、それが申請の土台になります。配慮を受けたことを理由に、評価で差をつけることは認められていません。

診断を受けるかどうかを迷っている場合も、先に中学校へ相談しておくと、診断書が必要な地域かどうかが早く分かります。そのうえで受診を考えても遅くありません。

締切が近い・過ぎていそうなときにどうする?

今は9月の終わり。申請の締切は、出願の締切と同じか、それより前に置くのが国の示す考え方です。東京都のように年内に締め切る地域もあるので、中3の方はすでに動く時期に入っています。 迷っているなら、今週中に担任か進路指導の先生へ相談してください。

相談のときは、次の3つを伝えると話が早く進みます。

  • 入試で配慮を申請したいと考えていること
  • 定期テストや授業で、いま受けている配慮(別室、時間延長、座席など)
  • 模試や定期テストで、実際にどんな場面で困ったか

締切を過ぎていそうでも、あきらめずにすぐ連絡してください。 国の資料は、急病や事故などやむを得ない理由があるときの、締切後の申請の扱いを示しておくよう教育委員会に求めています。どう扱うかは地域によって違うので、まず中学校から教育委員会に確認してもらうのが確実です。

公立以外の入試は、学校ごとの対応になります。私立高校は、発達障害ナビポータルでも直接その学校へ問い合わせるよう案内しています。通信制高校も、面接や作文での配慮を学校ごとに相談する形です。説明会や個別相談の場で「入試の配慮を相談できますか」と一言聞いておくと安心です。通信制を考えている場合は通信制高校は発達障害の子に向いている?も参考にしてください。

通信制の中には、N高等学校のように、時間割のないネットコースのほか週1日から週5日まで通うコースがあり、通い方を選べる学校もあります。【N高等学校】の資料(無料)を取り寄せて、通い方を比べる材料にしてみてください。

中1・中2のうちにできる準備|定期テストの配慮が根拠になる

中1・中2の保護者の方は、今から入試の申請を急ぐ必要はありません。その代わりに、定期テストで配慮を受け、その記録を残しておくことが、将来の申請の一番の根拠になります。

発達障害ナビポータルも、中学で定期試験の配慮を受けていた場合、高校受験の前に申請して配慮を求められると案内しています。入試の当日にいきなり新しいやり方を試すより、ふだんから使って慣れている方法のほうが、本人も落ち着いて受けられます。

たとえば、定期テストで別室や時間延長、ルビ付きの問題を使ってみる。タブレットでの解答を試してみる。どの方法が合っていたかを、先生と一緒に振り返っておく。こうした積み重ねが、中3の申請書にそのまま生きてきます。

中学校で受けられる配慮や相談先は、中学生になってからの発達障害|支援の相談先と中学校で受けられる配慮にまとめています。支援級に在籍している場合の内申点の扱いは、支援級でも高校受験はできるを読んでみてください。

✅ 学年別に、いまやること

  • 中3:今週中に担任か進路指導の先生へ「入試の配慮を申請したい」と伝え、締切を聞く
  • 中3:いま受けている配慮と、困った場面をメモにして持っていく
  • 中3で私立・通信制も受ける:説明会や個別相談で、配慮を相談できるか聞く
  • 中1・中2:定期テストで配慮を試し、どの方法が合ったかを先生と振り返っておく

受験の配慮と並行して、毎日通う前提でない高校も見ておきたい方は、N高は発達障害・グレーゾーンの子に向く?で通い方と相談窓口を公式情報で整理しています。

まとめ

  • 公立高校の入試では、別室受験・時間延長・問題用紙の拡大・ルビ・読み上げなどの配慮を申請できる。2022年度は全国で3,752人が配慮を受けた
  • 申請は多くの地域で中学校を通して出す。締切や様式は都道府県ごとに違うので、今年度の入試要項で確かめる
  • 診断書を必ず求める都道府県は少数。診断がなくても、中学校での様子や配慮の記録が申請の土台になる
  • 中3は今が動く時期。締切が近くても過ぎていそうでも、まず担任に相談する
  • 中1・中2は、定期テストで配慮を試して記録を残すことが一番の準備になる

今夜はここまでで大丈夫です。明日、担任の先生への連絡帳か電話で「入試の配慮について相談したいので、締切を教えてください」と一言だけ伝えてみてください。

よくある質問

受検上の配慮を受けると、合否で不利になりますか?

不利にしてはいけない、というのが国の考え方です。文部科学省の指針では、試験で配慮を受けたことを理由に評価で差をつけることは、不当な差別的な扱いの例に挙げられています。配慮は問題を易しくするものではなく、力を出しやすい条件を整えるものです。

受検上の配慮を申請したことは、志望校に伝わりますか?

伝わります。多くの地域では、配慮の申請書は中学校から志望する高校へ出され、高校や教育委員会が内容を決めます。入学後の支援を考えるうえでも役立つ情報なので、隠すより、入学後に何が必要かを一緒に考えてもらうきっかけにするのがおすすめです。

私立高校の入試でも配慮は頼めますか?

頼めます。ただし私立は都道府県の共通ルールではなく、学校ごとの対応になります。発達障害ナビポータルでも、私立を受ける場合は直接その学校へ問い合わせるよう案内しています。説明会や個別相談の場で、配慮の相談ができるかを早めに聞いておくと安心です。

通信制高校の入試でも配慮は必要ですか?

面接や作文がある学校では、面接の順番や筆談、別室などを相談できる場合があります。私立の通信制は学校ごと、公立の通信制は都道府県の入試の決まりに沿うことが多いので、出願を考えた時点で問い合わせてください。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。