学校の職員室で、先生と保護者が机をはさんで書類を見ながら向き合って話している。支援級の担任と合わないと感じたら、まず面談で子どもの様子を共有する 🏫 園・学校生活
園・学校生活 公開: 2026年5月29日

支援級の担任が合わないときは?担任の決め方・免許の実情と相談の順番

この記事の目次
  1. 特別支援学級の担任は誰がどう決める?
  2. 支援級の担任に特別な免許は必要?専門性の実情
  3. 担任が合わないと感じたら、まず記録をつける
  4. 相談の順番と伝え方|担任→コーディネーター→管理職→教育委員会
  5. 子どもへの影響が大きいときの選択肢
  6. 来年度に向けて、いつ・何を伝える?
  7. まとめ

連絡帳の返事が一行だけで、様子がよく分からない。「家ではどうしていますか」と聞かれるばかりで、学校でどう関わってくれているのかが見えない。帰ってきた子どもが「先生こわい」とつぶやいた——。支援級の担任が合わないと感じるのは、わがままではありません。子どもを毎日預ける相手だからこそ、引っかかりが気になるのは当然です。この記事では、特別支援学級の担任がどう決まるのかと、免許や専門性の実情を先に整理します。そのうえで、不満を感じたときの伝え方と相談の順番、子どもへの影響が大きいときの選択肢、来年度に向けた動き方を見ていきます。

特別支援学級の担任は誰がどう決める?

先に結論です。担任を決めるのは校長で、保護者が指名する仕組みはありません。学校教育法は「校長は、校務をつかさどり、所属職員を監督する」と定めています。どの先生がどの学級を受け持つかは、この校務の割り振りの一つです。

決め方の流れは、だいたい次のようになります。先生がどの学校に勤めるかは、教育委員会の人事異動で春に決まります。そのうえで、校長が校内の先生の顔ぶれを見て、どの学級を誰に任せるかを決めます。支援級の担任も、通常学級の担任と同じこの流れの中で決まります。

そのため、「この先生にしてほしい」「この先生は外してほしい」という指名の要望は通りません。年度の途中で担任が交代するのも、病気や異動といった事情がない限りまれです。ただし、担任は変わらなくても、子どもへの関わり方は今年度の途中から変えてもらえます。この記事の後半は、そのための話です。

支援級の担任に特別な免許は必要?専門性の実情

支援級の担任になるのに、特別支援学校の免許は必須ではありません。文部科学省の資料も、支援級の担任や通級の担当には、特別支援学校教諭の免許を持つことなどの法令上の決まりはないと明記しています。

実際の数字も見ておきます。

項目文部科学省の資料に書かれていること
担任になるのに必要な免許小学校・中学校の教員免許。特別支援学校の免許を持つ決まりはない
特別支援学校の免許も持つ先生の割合小・中学校の支援級担当の先生のうち31.0%(令和6年度学校基本調査)
任期つきの先生の割合支援級では、臨時的に任用された先生の割合が学級担任全体の倍以上

支援級を担当する先生の約7割は、特別支援学校の免許を持っていないことになります。毎年担任が入れ替わる、経験の浅い先生が受け持つ、という状況が起きやすいのはこのためです。文部科学省の資料も、支援級に関わる先生が長い目で計画的に育てられ、配置されているとは言いにくいと課題を認めています。国の検討会議は、採用後10年以内に特別支援教育を複数年経験するといった方向性を示しています。

ここで大事なのは、合わなさの原因が先生個人ではなく、体制にあることも多いという点です。免許がなくても丁寧に関わる先生はたくさんいます。免許の有無で先生を判断するより、「この子にいま何が足りていないか」に目を向けたほうが、話し合いが前に進みます。

担任が合わないと感じたら、まず記録をつける

相談の前にやっておきたいのは、気になったことを日付つきで書き残すことです。「なんとなく合わない」のままだと、学校側も何を変えればいいのか分かりません。

夜、ベッドの上で手帳にペンで書き込んでいる手元。担任のことで気になった出来事を、日付と子どもの様子に分けて短く書き残しておく

書くのは次の3つだけで十分です。

  • いつ・何があったか(例: 5月20日、連絡帳に「今日もパニックでした」とだけ書かれていた)
  • 子どもの様子(例: 帰宅後に「学校行きたくない」と言った、朝の腹痛が週3回)
  • こうしてもらえると助かること(例: パニックの前に何があったかを一言知りたい)

3つ目がいちばん大事です。不満を並べるより、「こうしてほしい」という具体的なお願いに変えておくと、面談でそのまま使えます。2〜3週間ぶん書くと、本当に困っていることと、たまたま重なっただけのことが見分けやすくなります。

相談の順番と伝え方|担任→コーディネーター→管理職→教育委員会

相談は、近いところから順に進めます。いきなり校長や教育委員会に行くと、担任との関係がこじれて、毎日の関わりがかえってぎくしゃくすることがあります。

1
担任と面談する連絡帳やメールで「15分ほどご相談の時間をください」と約束を取りつけ、記録をもとに話す。
2
特別支援教育コーディネーターに相談する担任と話しても変わらないとき、または担任と直接話すのがつらいときに。面談への同席も頼める。
3
教頭・校長に相談する学校としての対応や体制の話が必要なときに。記録と、これまでの相談の経過を持っていく。
4
教育委員会の相談窓口に相談する学校の中で話が進まないときに。窓口の名前は自治体で違うので、市区町村の教育委員会に電話で聞く。

2番目の特別支援教育コーディネーターは、校長が先生の中から指名する役割です。文部科学省の通知では、校内の連絡や調整に加えて、保護者からの相談窓口などを担うと位置づけられています。学校に「支援の担当の先生とお話ししたいのですが」と伝えれば、つないでもらえます。

担任との面談では、主語を「先生」ではなく「子ども」に置くと、角が立ちにくくなります。

言ってしまいがちなこと伝わりやすい言い方
先生のやり方が合っていないと思います「最近、朝に腹痛を訴える日が増えています。学校で何か変わったことはありましたか」
連絡帳が短すぎます「パニックがあった日だけでも、その前に何があったかを一言いただけると、家で落ち着かせやすいです」
もっと専門的に見てほしいです「家ではこういう声かけだと伝わりやすいです。学校でも試していただけますか」

面談の最後に、「次はいつ様子を確認しましょうか」と次の約束まで決めておくのがコツです。言いっぱなし・聞きっぱなしで終わらず、変化を一緒に確かめる流れができます。家での伝わり方をまとめた紙を渡したいときは、サポートブックの書き方が使えます。

💡 相談するのは、先生を責めることではありません

記録をもとに、子どもの様子と「こうしてもらえると助かること」を伝える。それは担任と協力するための材料を渡すことです。一度で変わらなくても、近いところから順に相談先を広げていけば大丈夫です。

子どもへの影響が大きいときの選択肢

登校をしぶる日が続く、体の不調が出ている、という場合は、担任との話し合いと並行して、学びの場そのものを見直すことも考えてください。

ひとつは通級による指導です。ふだんは通常学級で過ごし、週に何時間か別の教室で特性に合わせた指導を受ける形です。文部科学省は令和4年の通知で、支援級に在籍する子が大半の時間を通常学級で学んでいるなら、学びの場の変更を検討するべきだとしています。原則は、週の授業時数の半分以上を目安に支援級で授業を受けることです。いまの時間割の実態によっては、通級のほうが合っている可能性もあります。通級のしくみは通級指導教室とは?にまとめています。

もうひとつは転籍です。支援級から通常学級へ移るほか、知的障害の学級と自閉症・情緒障害の学級のどちらが合うかを見直す形もあります。転籍は担任を変えるための手段ではなく、この子に合う学びの場を選び直す手続きです。時期や流れは支援級から通常級への転籍で詳しく説明しています。

同じ通知は、改善が必要な例として、学びの場の選択肢を本人や保護者に説明していないことを挙げています。「ほかにどんな選択肢がありますか」と学校に聞くことに、遠慮はいりません。

来年度に向けて、いつ・何を伝える?

担任は年度単位で決まるので、来年度に向けて動くなら、秋から冬のうちに伝えておくのが現実的です。年が明けて春休みが近づくと、校内の体制づくりがかなり進んでしまいます。

ここで伝えるのは、先生の名前ではなくこの子に合う関わり方です。

  • 見通しを先に伝えてもらうと落ち着ける
  • 大きな声で注意されると固まってしまう
  • 連絡帳でその日の様子を一言知りたい

こうした要望は、担任が誰になっても引き継がれるように、文書にして学校に渡しておくと確実です。秋〜冬の個人面談や、進級に向けた相談の場をうまく使ってください。周りの目が気になって支援級に通わせること自体に迷いが出ているなら、「特別支援学級はずるい」と言われたらも気持ちの整理に役立ちます。

まとめ

  • 支援級の担任は、校長が校内の役割分担として決める。保護者が指名する仕組みはなく、年度途中の交代もまれ
  • 支援級の担任に特別支援学校の免許は必須ではない。免許も持つ先生は31.0%で、合わなさの背景には体制の問題もある
  • 相談の前に、日付・子どもの様子・「こうしてほしいこと」の3つを記録する
  • 相談は担任→特別支援教育コーディネーター→教頭・校長→教育委員会の順に。主語を子どもに置いて伝える
  • 影響が大きいときは通級や転籍も選択肢。来年度に向けた要望は、秋〜冬に文書で伝えておく

今夜はここまでで大丈夫です。明日は、気になった出来事を1つだけ、日付と子どもの様子を添えてメモに書いてみてください。それが、担任と話すときのいちばんの材料になります。

よくある質問

支援級の担任を保護者が指名したり、変えてもらったりできますか?

担任を誰にするかは校長が学校の中で決めるもので、保護者が指名する仕組みはありません。年度の途中で担任が交代することも、病気や異動などの事情がない限りまれです。そのかわり、子どもへの関わり方や配慮の中身は、今年度の途中でも話し合って変えてもらえます。

支援級の担任は特別支援学校の免許を持っていないといけないのですか?

法令上の決まりはなく、小学校・中学校の教員免許があれば支援級の担任になれます。文部科学省の資料では、小・中学校の支援級を担当する先生のうち、特別支援学校の免許も持っている人は31.0%です。免許の有無だけで先生の力量は決まらないので、日々の関わりを見て判断してください。

担任への不満を伝えたら、子どもが不利な扱いを受けませんか?

心配になるのは自然なことです。伝え方を「先生への評価」ではなく「子どもの様子と、こうしてもらえると助かること」にすると、話し合いの形になりやすくなります。担任と直接話すのがつらい場合は、特別支援教育コーディネーターや教頭先生に同席をお願いすることもできます。

連絡帳やメールで不満を伝えてもいいですか?

日程の調整や事実の共有には便利ですが、気持ちの込み入った話は文字だけだと強く伝わりがちです。「ご相談したいことがあるので、15分ほどお時間をいただけますか」と面談の約束を取りつける使い方がおすすめです。話した内容は、あとで短くメモして残しておきます。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。