📋 制度とお金 療育手帳の等級とは?A・B1・B2・C判定の意味と支援の違いを解説
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判定結果の通知に並んでいたのは、アルファベットと数字だけ。C判定、B2といった記号が何を意味するのかは、通知にも手帳にも書かれていません。検索しても地域ごとに説明が違い、余計に分からなくなる——その戸惑いは当然です。先にお伝えすると、療育手帳の等級で国が決めているのは「重度(A)」と「それ以外(B)」の2区分だけです。A1・A2・B1・B2、C判定、マルAといった細かい表記や呼び名は、すべて自治体が独自に決めています。この記事では、等級・判定区分の意味、決まり方、等級ごとの支援の目安を2026年時点の情報で整理します。
療育手帳の等級・判定区分とは?国の基準は「重度A」と「それ以外B」
療育手帳の等級とは、知的障害の程度を表す区分のことです。まず押さえたいのは、国の基準はとてもシンプルだという点です。
厚生労働省の通知(療育手帳制度について)では、手帳に記載する障害の程度は重度(A)とそれ以外(B)の2つと定められています。ところが実際の手帳を見ると、A1・A2・B1・B2だったり、マルA・A・B・Cだったりと、地域でまったく違う表記が使われています。これは、この2区分をさらに細かく分けるかどうか、どんな名前を付けるかを各自治体が独自に決めているためです。
代表的な表記の例を並べると、自治体差の大きさがよく分かります。
| 区分の重さ | 国の基準 | 4区分で表す例 | A〜Cで表す例 | 東京都(愛の手帳) |
|---|---|---|---|---|
| 最も重い | 重度(A) | A1 | マルA(Ⓐ) | 1度 |
| 重い | 重度(A) | A2 | A | 2度 |
| 中くらい | それ以外(B) | B1 | B | 3度 |
| 軽い | それ以外(B) | B2 | C | 4度 |
💡 ポイント
「A・B」は国の共通ルール、「A1・B2・C判定」などの細かい呼び名は自治体ごとのローカルルールです。同じ「B2」でも、隣の県では別の表記になっていることがあります。
手帳の名称そのものも地域で異なり、東京都は「愛の手帳」、名古屋市は「愛護手帳」と呼びます。区分の数(2段階か、3〜4段階か)も自治体によって変わります。
「C判定」「B2」とは何を指す?地域で呼び名がまるで違う
C判定やB2は、どちらも「軽いほうの区分」を指すことが多い表記ですが、その中身は住んでいる地域で決まります。
- B2:A1・A2・B1・B2の4区分を使う自治体で、いちばん軽い区分にあたることが多い表記です。おおむね軽度の知的障害が目安とされます。
- C判定:マルA・A・B・Cのように4段階で表す自治体で、最も軽い区分を指す呼び方です。名古屋市のように1度〜4度の数字で表す地域もあり、その場合はCという表記自体を使いません。
同じ「軽度」でも、ある自治体ではB2、別の自治体ではC、また別の自治体では4度と呼ばれます。つまり、区分の文字だけを見て他の地域と比べても正確には比較できません。
⚠️ ここに注意
ネットで「B2はIQ○○以下」といった数値を見かけても、それはあくまで一例です。判定に使うIQの上限値や区分の分け方は自治体ごとに違うため(こども家庭庁も基準のばらつきを課題として挙げています)、自分の地域の基準は交付元の窓口で確認してください。
なお療育手帳は、国の法律で細かく決まっているわけではなく、各自治体が独自のルールで運用しています。判定の方法やIQの上限値、発達障害の扱いに地域差があり、引っ越すと判定が変わることもあるため、こども家庭庁は基準の統一化を検討しています。
療育手帳の等級はどうやって決まる?IQと日常生活の両面で判定
等級は、児童相談所(18歳以上は知的障害者更生相談所)での判定によって決まります。IQ(知能指数)の数値だけで機械的に決まるわけではありません。
判定では、知能検査で測るIQと、身のまわりのことや対人面など日常生活能力の両方を見て、総合的に区分が決められます。同じIQでも、生活面での支援の必要度によって区分が変わることがあります。一般的な流れは次のとおりです(詳細は自治体により異なります)。
判定の目安としては、最重度・重度をA、中度・軽度をBとする自治体が多く、IQはおおむね35以下を重度側、それより高い範囲を中軽度側の目安とする例が見られます。ただしこの数値も自治体ごとに幅があり、聴覚や肢体の障害を併せ持つ場合は数値だけで判断しないなど、個別の事情も考慮されます。
等級ごとに受けられる支援・手当・割引の目安
等級(重度か中軽度か)によって、受けられる支援の対象や金額が変わることがあります。手帳があると、次のような援助を受けやすくなります。

✅ 等級で差が出やすい主な支援
- 特別児童扶養手当:重度・中度で手当の等級(1級・2級)が分かれ、金額が変わる(手帳とは別に診断書等で認定)
- 交通機関・施設の割引:重度は介助者も割引対象になるなど、区分で範囲が異なる場合がある
- 税の軽減:所得税・住民税の障害者控除で、重度は特別障害者としてより手厚い扱いになることがある
- 各種手当・助成:自治体独自の手当や医療費助成の対象が、等級で線引きされる場合がある
ここで大切なのは、具体的な金額や対象になるかどうかは、制度・自治体・事業者によって異なるという点です。同じ「B判定」でも、A市では割引の対象で隣のB市では対象外、ということも起こり得ます。手当の細かい基準は特別児童扶養手当の対象と金額の目安で解説しています。
また、療育手帳とよく混同されるのが通所受給者証です。両者はまったく別の制度で、療育(児童発達支援など)に通うために必要なのは受給者証のほうです。違いは受給者証と療育手帳の違いにまとめています。
等級に納得いかない・軽く出たと感じたら
「思っていたより軽い区分だった」「生活の大変さが反映されていない気がする」——判定結果に迷いが残ることもあります。まず知っておきたいのは、等級は一度きりではないということです。
療育手帳には再判定(更新)の仕組みがあり、成長や状態の変化にあわせて区分が見直されます。次回の再判定で区分が変わることも、逆に非該当になることもあります。判定のときに子どもの調子が普段と違ったと感じる場合は、日ごろの生活の困りごとを具体的にメモして相談すると、様子が伝わりやすくなります。再判定の流れは療育手帳の更新・再判定で確認できます。
窓口に相談へ行くときは、手帳・判定結果の通知・家での困りごとを書いたメモの3つを持っていきましょう。「この区分だと、この市ではどの手当や割引が使えますか」「次の再判定はいつで、それまでに用意しておくものはありますか」と聞けば、必要なことが一度でそろいます。
そもそも取得するか迷っている段階なら、メリットと気になる点を先に整理しておくと安心です。療育手帳のデメリットと判断のポイントもあわせてお読みください。
💡 焦らなくて大丈夫
等級は子どもの価値を決めるものではなく、支援につながるための目印です。今の区分が合わないと感じても、再判定で見直せます。困ったときは交付元の窓口に相談してみてください。
まとめ
- 国の基準は「重度(A)」と「それ以外(B)」の2区分だけ。A1・B2・C判定などの細かい表記は自治体が独自に決めている
- B2やC判定は「軽いほうの区分」を指すことが多いが、呼び名も基準も地域でまるで違うため、文字だけで他地域と比べられない
- 等級はIQだけでなく日常生活能力もあわせ、児童相談所などが総合的に判定する
- 特別児童扶養手当・割引・税の軽減などは重度と中軽度で差が出やすいが、可否や金額は制度・自治体で異なる(2026年時点)
- 等級は再判定で変わることがある。納得いかないときは生活の困りごとを具体的に伝え、交付元の窓口に相談を
今夜はここまでで大丈夫です。明日やることは1つだけ、手帳に書かれた区分の表記と次の再判定の時期を確認すること。窓口に聞くのは、そのメモができてからで間に合います。
よくある質問
療育手帳のC判定とは何ですか?
一部の自治体で、最も軽い区分を「C」と表記する場合の呼び方です。国の基準は重度(A)とそれ以外(B)の2区分だけで、AとBをさらに細かく分けるかどうかや、その呼び名は自治体ごとに決められています。C判定が何を指すかは交付元の自治体で確認してください。
療育手帳のB2はどのくらいの程度ですか?
B2は、A1・A2・B1・B2という4区分を使う自治体で、最も軽い区分にあたることが多い表記です。おおむね軽度の知的障害が目安とされますが、判定はIQだけでなく日常生活の状況もあわせて総合的に行われ、基準の数値は自治体により異なります。
療育手帳の等級は途中で変わりますか?
変わることがあります。療育手帳には再判定(更新)の仕組みがあり、成長や状態の変化で区分が変わったり、非該当になったりする場合があります。次回の再判定時期は手帳に記載されているので確認しましょう。
等級によって受けられる手当や割引は変わりますか?
変わる場合があります。特別児童扶養手当や各種割引・税の軽減は、重度と中軽度で対象や金額が分かれていることが多いです。ただし可否や金額は制度・自治体・事業者ごとに異なるため、個別に確認が必要です。