クリップボードにはさんだ用紙にペンで記入している手元。療育手帳の申請書は年齢を理由に断られることはない 📋 制度とお金
制度とお金 公開: 2026年8月18日

療育手帳は何歳から取れる?申請できる年齢の目安と自治体ごとの運用の違い

この記事の目次
  1. 療育手帳は何歳から申請できる?下限の年齢は決まっていない
  2. 「原則3歳以上」など、下限の扱いは都道府県ごとに違う
  3. 多くの家庭が動き出すタイミングの目安
  4. 0〜2歳台なら、手帳を待たずに始められることがある
  5. 申請から交付までの流れと、次の判定までの間隔
  6. 「もっと早く動けばよかった」と思っているなら
  7. まとめ

「まだ2歳なんですが、療育手帳は申請できますか」。健診で発達のことを言われた日の夜、この一文を検索窓に打ち込む人がいます。園から勧められたけれど下の子が生まれたばかり、気になってはいたけれどもう小学生になってしまった——事情は人それぞれです。先にお答えすると、療育手帳の申請に、法律で決められた下限年齢はありません。0歳でも小学生でも、申請そのものは受け付けてもらえます。ただし判定の運用は都道府県ごとに違います。この記事では、下限年齢の実際・多くの家庭が動くタイミング・0〜2歳台でできること・申請の流れを、2026年時点の情報で整理します。

療育手帳は何歳から申請できる?下限の年齢は決まっていない

結論から書きます。国の決まりのなかに「◯歳から」という下限は書かれていません。

療育手帳のもとになっているのは、厚生労働省が昭和48年に出した「療育手帳制度について」という通知です。この通知の要綱には、手帳を受け取れるのは児童相談所または知的障害者更生相談所で知的障害があると判定された人だと書かれています。障害の程度を判定する基準は18歳未満と18歳以上に分けて示されていますが、申請できる年齢の下限はどこにも書かれていません

つまり、「◯歳になるまで待たないと申請できない」という国の縛りはありません。年齢が低いことだけを理由に、窓口で門前払いされる制度でもありません。

引っかかりが生まれるのは、この次の段階です。申請できるかどうかと、判定まで進めるかどうかは、別の話だからです。

「原則3歳以上」など、下限の扱いは都道府県ごとに違う

国が下限を決めていないぶん、実際の運用は交付する都道府県や指定都市が自分で決めています。ここが情報の食い違いを生む一番の原因です。

例えば静岡県は、判定の要領で療育手帳の交付年齢の下限を原則3歳以上と定めています。そのうえで、ダウン症候群などで明らかに知的障害を伴うという医学的な診断がある子どもについてはその限りではないと、例外もはっきり書いています。3歳という線は引かれているけれど、絶対の壁ではないという書き方です。

一方の東京都は、愛の手帳(東京都の療育手帳)について、3歳・6歳・12歳・18歳に達したときには更新の申請をすることになると案内しています。3歳の時点で「更新」があるということは、その前から手帳を持っている子がいるということです。同じ療育手帳でも、下限の考え方が自治体によってここまで違います。

なぜ年齢が意識されるのでしょうか。知的発達の程度をみる検査は、乳幼児期の結果がその後の姿とずれることがあります。だから下限を設ける自治体もあれば、交付はしたうえで短い間隔で見直す自治体もあります。どちらも子どもの状態を見誤らないための工夫で、遅らせるための決まりではありません。

⚠️ 他県の年齢をそのまま当てはめない

下限年齢も、区分の呼び方も、次の判定までの間隔も、手帳を交付する都道府県・指定都市ごとに決められています。検索で見つけた別の自治体の情報を自分の地域の答えにしないでください。確認先は、お住まいの市区町村の障害福祉窓口です。

多くの家庭が動き出すタイミングの目安

年齢そのものよりも、「何かきっかけがあったとき」に申請へ動く家庭が多いです。代表的なきっかけは4つあります。

きっかけだいたいの時期そのとき動きやすい理由
乳幼児健診で発達のことを言われた1歳6か月ごろ・3歳ごろ保健センターから相談先につないでもらえる
園・保育所から勧められた3〜5歳集団での様子という客観的な材料がそろう
就学相談が始まった年長の春〜秋進路を決める材料として検査結果が必要になる
診断がついた・通院を始めた年齢はさまざま主治医や相談員に手続きを相談できる

2026年時点の一般的な流れをまとめたもので、時期や呼び方は自治体によって変わります。ただし、この4つの時期を外したら申請できなくなるわけではありません。きっかけがなくても、保護者のほうから窓口に相談して始められます。

就学前が節目になりやすいことは、自治体の文書からもうかがえます。静岡県は再判定の時期を年齢で区切るときの理由として、5歳前後の変化や就学前の確認時期を挙げています。園から小学校へ移る前後は、子どもの状態を見直す機会として制度側も意識している時期です。

0〜2歳台なら、手帳を待たずに始められることがある

いま0〜2歳で、手帳の話が前に進まなくても、支援の入り口は別にあります。順番が逆でもまったく問題ありません。

児童発達支援(未就学の子が通う療育)を利用するのに必要なのは、療育手帳ではなく通所受給者証です。これは市区町村が出す別の書類で、手帳がなくても、診断が確定していなくても、支援の必要性が認められれば発行される場合があります。2つの制度がどう違うのかは受給者証と療育手帳の違いにまとめました。

相談先も、手帳とは無関係に使えます。市区町村の障害福祉窓口、保健センター、児童発達支援センター、そして児童相談所。どれも手帳を持っている人だけの窓口ではありません。どこに何を聞けばいいか迷ったときは発達相談はどこに行けばいい?窓口の選び方が近道になります。

つまり、手帳が取れないから支援も受けられない、ということはありません。先に通所支援や相談につながって、手帳は数年後、という順番もあります。

申請から交付までの流れと、次の判定までの間隔

大きな流れは申請・判定・交付の3段階です。申請する場所と判定する場所が別だという点だけ押さえておけば、迷いません。

1
市区町村の窓口で申請する神奈川県は、申請の窓口はお住まいの市町村だと案内しています。障害福祉担当の課が受付です。
2
判定を受ける18歳未満は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所(名称は自治体ごとに違います)で、子どもの検査と保護者への聞き取りを受けます。
3
判定結果にもとづいて交付される都道府県知事などが交付を決定し、市区町村の窓口や郵送で手帳を受け取ります。
4
次の判定時期を確認する手帳や交付時の案内に、次に判定を受ける時期が書かれています。

公共施設の白い壁ぎわに置かれた3人掛けの待合ベンチ。申請の窓口と判定を受ける場所は別になっている

申請してから判定の日程が決まるまで、しばらく待つ自治体もあります。連絡がすぐ来なくても、手続きが止まっているわけではありません。

小さいうちに取ると、次の判定が早めに回ってきます。国の通知は、再判定の時期を原則2年後と示しています。そのうえで、障害の状況からみて2年を超えてからの確認でよいと認められる場合は、別の時期を指定してさしつかえないとも書いています。2年は上限ではなく出発点です。

静岡県は、この考え方を年齢で表にしています。

年齢再判定の目安(静岡県・2026年時点)
3歳未満1〜2年に1回
3歳〜6歳2〜3年に1回
7歳〜20歳3〜5年に1回
20歳以上5〜10年に1回

小さいうちほど間隔が短く、大人になるにつれて延びていきます。0〜2歳台で交付を受けた場合は、1〜2年でもう一度判定という前提で考えておくと安心です。手続きの中身や持ち物は療育手帳の更新はいつ?再判定の流れにまとめました。

なお、この間隔も静岡県の決め方です。東京都のように3歳・6歳・12歳・18歳と節目の年齢で区切る自治体もあります。あなたの子どもにとっての正解は、手帳に書かれた次の判定時期です。

「もっと早く動けばよかった」と思っているなら

ここまで読んで、うちはもう小学生だった、中学生だったと感じた方へ。年齢が上がってからの取得でも、遅くはありません。理由は3つあります。

1つ目。療育手帳は18歳を過ぎてからでも新しく申請できます。東京都は、18歳以上で愛の手帳を希望する人は心身障害者福祉センターまたは多摩支所で申請し判定を行うと案内しています。大人向けの申請窓口が、あらかじめ用意されているのです。子どものうちに取らなかった人を締め出す制度ではありません。18歳以降の扱いは療育手帳は何歳まで使える?で詳しく整理しています。

2つ目。手帳で使える割引や税の軽減は、持っている期間に対して使うものです。過去の分を取り戻す制度ではないぶん、いつ取っても損はしません。いま取れば、いまから使えるようになります。

3つ目。年齢が上がってからの判定には、小さいうちにはなかった材料がそろいます。学校での様子、通級や支援級での記録、生活面の具体的な困りごと。静岡県は、障害の程度の判定を知能検査の数値を原則としながら、社会生活の力や介護の必要度も考慮して総合的に行うと定めています。学校生活で積み上がった記録は、その総合的な判断を支えてくれます。

💡 早い・遅いで決まる制度ではありません

療育手帳は、締め切りに間に合わなかったら受けられなくなる補助金とは違います。何歳でも申請できて、状態が変われば判定をやり直せる、行き止まりのない仕組みです。いま気づいたことは、そのまま次の一歩につながります。

まとめ

  • 療育手帳の申請に、国が決めた下限年齢はありません。何歳でも申請そのものは受け付けてもらえます
  • ただし交付年齢の下限は自治体ごとの運用です。静岡県は原則3歳以上(例外あり)、東京都は3歳で更新の判定という運用で、地域によって考え方が違います
  • 動き出すきっかけは乳幼児健診・園からの勧め・就学相談・診断が中心ですが、この時期を外しても申請できます
  • 0〜2歳台なら、通所受給者証で児童発達支援に通う道や、保健センター・児童発達支援センターへの相談が先に使えます
  • 小さいうちに取ると次の判定は1〜2年後など早めに来ます。逆に、年齢が上がってからの取得でも遅くはありません

今夜はここまでで大丈夫です。明日やることを1つだけ挙げるなら、市区町村の障害福祉窓口に「いま◯歳ですが、療育手帳の判定は受けられますか」と電話で聞いてみること。下限年齢の答えを持っているのはその窓口だけなので、調べ物はそこで終わります。

よくある質問

0歳や1歳でも療育手帳を申請できますか?

国の決まりに申請できる年齢の下限はないため、窓口で申請そのものを受け付けてもらえます。ただし交付年齢の下限を原則3歳以上と定めている県もあり、判定まで進むかどうかは自治体の運用によります。まずはお住まいの市区町村の障害福祉窓口に、いまの年齢で判定を受けられるかを聞いてみてください。

自閉スペクトラム症(ASD)の診断があれば何歳から療育手帳が取れますか?

診断名だけで年齢が決まる仕組みではありません。療育手帳は知的障害の程度を判定して交付されるため、知的発達の状態をどう見るかが判断の中心になります。基準や年齢の運用は自治体ごとに違うので、診断書や検査結果を持って窓口で相談するのが早いです。

「3歳になったら来てください」と言われました。それまで何もできませんか?

できることがあります。児童発達支援に通うために必要なのは療育手帳ではなく通所受給者証で、これは手帳がなくても申請できる制度です。保健センターや児童発達支援センターへの相談も手帳とは関係なく利用できます。手帳を待っている間に支援を始めて問題ありません。

小学生や中学生になってから申請するのは遅いですか?

遅くありません。療育手帳は18歳を過ぎてからでも新しく申請できる制度で、就学後の申請はごく普通のことです。割引や税の軽減は手帳を持っている期間に使うものなので、いま取れば、いまから使えるようになります。

申請してから手帳が届くまでどのくらいかかりますか?

自治体によって差が大きく、判定の日程が決まるまで待つこともあります。申請の窓口は市区町村、判定は児童相談所などと場所が分かれるため、日程の調整に時間がかかりやすい仕組みです。急ぎの事情があるときは、申請のときに窓口へ伝えておきましょう。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。