陽の差すカフェの丸テーブルに2つのカップが並び、同じ立場の人と向かい合って話す時間を思わせる場面 🌸 保護者のこころとくらし
保護者のこころとくらし 公開: 2026年8月26日

発達障害の親の会とペアレントメンター|同じ立場の親に話を聞ける場の探し方

この記事の目次
  1. 発達障害の親の会とペアレントメンターは、何が違う?
  2. 同じ立場の親に話を聞ける場は、大きく5つ
  3. 親の会とペアレントメンターの探し方【4ステップ】
  4. 診断がなくても参加できる?初めての日の不安に答えます
  5. 合う会・合わない会を見分ける目安
  6. 年度の途中でも入れる。秋から冬こそ話を聞きたい時期
  7. まとめ

診断名を伝えたときの、ママ友の一瞬の沈黙。療育の待合室で、会釈だけして別れる同じ年ごろの親子。夜、子どもを寝かせたあとにSNS上の投稿をたどって、かえって胸がざわついて閉じるスマホ——。支援者にはきちんと相談できていても、「同じことを通ってきた親の話が聞きたい」という気持ちは、それとは別のものです。結論から書きます。同じ立場の親に話を聞ける場は、SNS以外にもいくつも用意されています。無料で相談できる公的な仕組みもあり、いずれも住んでいる地域から探せます。この記事では、場の5つの種類、探し方の4ステップと問い合わせの言い方、診断がなくても参加できるのか、年度の途中から入れるのかまでまとめます。

発達障害の親の会とペアレントメンターは、何が違う?

よく並べて語られる2つですが、成り立ちが違います。ここを分けておくと、探すときに迷いません。

ペアレントメンターは、自治体が用意している公的な仕組みです。発達障害のある子どもを育てた経験があり、研修を受けた保護者が、同じような子どもを持つ親の話を聴き、情報を伝える役割を担います。東京都発達障害者支援センターは、メンターという言葉には信頼できる相談相手という意味があると説明しています。あくまで相談相手であって、診断や治療をする立場ではありません。

一方の親の会・家族会は、保護者や家族自身が作って続けてきた団体です。定例会、勉強会、茶話会、会報の発行など、活動の形は会によってかなり違います。日本自閉症協会は、全国の加盟団体を親の会として紹介したうえで、地域の協会によって活動はさまざまだと案内しています。

どちらを選んでも構いませんし、両方を使っても構いません。入口はどちらも、お住まいの地域の発達障害者支援センターで聞けます。

同じ立場の親に話を聞ける場は、大きく5つ

親の会だけを探そうとすると、選択肢を狭めてしまいます。同じ立場の人と話せる場は5種類あり、通っている場所の中にすでにあることもあります

場の種類どんな場か主な窓口・探し方費用の目安(2026年時点)
ペアレントメンター研修を受けた先輩保護者が、1対1や少人数で話を聴く都道府県・政令指定都市の発達障害者支援センター無料としている自治体がある
親の会・家族会保護者が運営する会。定例会・勉強会・茶話会・会報など日本自閉症協会の加盟団体、各地の手をつなぐ育成会会費は会ごとに決まっている
家族支援のプログラムペアレントプログラムなど、数回の連続講座で同じメンバーが集まる市区町村の障害福祉課、発達障害者支援センター無料または教材の実費
事業所の保護者会通っている療育事業所・放課後等デイの保護者同士の集まり通っている事業所に直接無料のことが多い
オンラインのコミュニティ地域を越えて、顔を出さずに参加できる各団体のサイト、支援センターの案内無料のものから有料のものまで

連続講座の形は、子どもへの関わり方を学びながら同じ顔ぶれで話せるのが利点です。家庭でできる工夫はペアレントトレーニングを自宅で試すでも整理しています。また、きょうだい児の集まりを別に設けている事業所や会もあります。上の子・下の子の気持ちをどう支えるかはきょうだい児のケアにまとめました。

☕ 対面の会

  • 地域の学校・園・事業所の実際の話が聞ける
  • その場の空気で「自分だけじゃない」と感じやすい
  • 会場と日時が決まっていて、行ける日が限られる
  • 子連れ可か、託児があるかは会によって違う

💻 オンラインの会

  • 顔と名前を出さずに参加できる形を選べる
  • 子どもを寝かせたあとの時間帯に開かれることがある
  • 地域の細かい事情は聞き取りにくい
  • 誰が運営しているかを先に確かめたい

親の会とペアレントメンターの探し方【4ステップ】

探し方に順番があります。最初の1本は、お住まいの都道府県か政令指定都市の発達障害者支援センターです。センターは発達障害のある人と家族の相談を受けもつ機関で、全国の所在地と連絡先の一覧が発達障害情報・支援センターのサイトで公開されています。地域の親の会やメンターの情報が、いちばん集まっている場所でもあります。

1
発達障害者支援センターに電話かメール「小学1年の子の親です。ペアレントメンターや親の会を紹介していただけますか」と伝えます。
2
市区町村の障害福祉課・子育て支援課「市内で保護者が集まれる場や、家族向けの講座はありますか」と聞きます。
3
通っている事業所・相談支援専門員送迎や面談のついでに「保護者会や、同じ立場の方と話せる機会はありますか」と聞けます。
4
全国組織のサイトから地域の団体へ日本自閉症協会の加盟団体一覧や、全国手をつなぐ育成会連合会の各地の育成会をたどります。

申し込みの形は地域でかなり違います。東京都のペアレントメンター事業は、保護者個人からの申し込みではなく、園や学校、事業所などの機関が事務局に依頼してメンターを派遣してもらう形をとっています。一方で静岡市発達障害支援センターは、個別相談やおしゃべり会を保護者自身が事前に予約できる形で開いていて、参加費は無料です。どちらの形かは、電話で1回聞けば分かります

公的な窓口そのものの使い分けに迷うときは、発達障害の相談窓口の一覧と電話での切り出し方もあわせて読んでみてください。

診断がなくても参加できる?初めての日の不安に答えます

参加をためらう理由は、だいたい同じところにあります。順番に答えます。

緑の庭に色とりどりの木の椅子がゆるい輪の形に並び、これから人が集まって話す小さな会を思わせる風景

診断がついていなくても参加できる会は多くあります。発達が気になる段階の保護者を受け入れている会や、検査の結果を待っている人が来ている会もあります。条件は会ごとに違うので、申し込みのときに「診断はまだなのですが参加できますか」と一言たずねれば済みます。

話さずに聞くだけの参加も認められています。自己紹介をニックネームだけにできる会もあります。初めての日は、ほかの人の話を聞いて帰るだけで十分な収穫です。

申し込みのときに確認しておくと、当日に困りません。

  • 子どもを連れて行ってよいか、託児はあるか
  • 参加費、年会費、資料代がいくらか
  • 対面かオンラインか、オンラインなら顔を出さずに参加できるか
  • 連絡先をほかの参加者に伝える必要があるか
  • 単発で参加できるか、入会が前提か

そして、合わないと感じたら続けなくて構いません。一度行ったら通い続けなければいけない場ではありません。次の回を休むのに理由はいりませんし、退会の連絡も一言で足ります。

🌱 安心してほしいこと

初めての日は、名乗らなくても、話さなくても大丈夫です。合わなければ次から行かなくてよい——その前提で一度のぞいてみる、という使い方で問題ありません。

合う会・合わない会を見分ける目安

ほとんどの会は、保護者どうしが支え合うために続けられています。そのうえで、距離を置いたほうがよい場もあります。判断の材料は難しくありません。

  • 宗教や政治への勧誘が活動に混ざっている
  • 高額な教材やサプリメント、健康食品の販売が集まりの目的になっている
  • 特定の治療法や食事法だけを正解として勧め、医療機関の受診をやめるよう促す
  • 退会や欠席を引き止める、断りにくい空気がある
  • 会計や運営の担当者がはっきりしない

ひとつでも当てはまったら、次の回を休んで構いません。理由を説明する義務もありません。公的な窓口から紹介された会や、全国組織の加盟団体は、連絡先と運営主体をたどって確かめやすいという利点があります。最初の1つ目はそうした会から入ると、見分けの負担が減ります。

年度の途中でも入れる。秋から冬こそ話を聞きたい時期

「4月の募集を逃したから、来年まで待つしかない」と考える必要はありません。親の会の多くは随時受け付けで、入会せずに単発で参加できる茶話会や勉強会を開いている会もあります。オンラインの回だけ参加する、という入り方もできます。

秋から冬にかけては、就学相談や就学時健診、次年度の学級を決める話し合いが動く時期です。同じ学年の子を持つ親がいちばん集まりやすく、去年その相談を通った先輩保護者の話を聞ける確率も上がります。決定の期限が近づくほど1人で抱えるのはつらくなるので、迷っている段階で聞いてしまうほうが楽になります。

保護者自身がすり減っているときは、つながる場を探すことさえ重荷になります。そういう時期の休み方は発達障害の子育てに疲れたときの休息制度と相談先にまとめました。順番は、体力が戻ってからで大丈夫です。

まとめ

  • ペアレントメンターは、研修を受けた先輩保護者が話を聴く公的な仕組み。親の会・家族会は、保護者が自分たちで続けてきた団体
  • 同じ立場の人と話せる場は5種類あり、通っている事業所の保護者会など、すでに身近にある場合もある
  • 探し方の1本目は、お住まいの都道府県か政令指定都市の発達障害者支援センター。全国の連絡先は一覧で公開されている
  • 診断がなくても参加できる会は多く、聞くだけの参加も認められている。合わなければやめてよい
  • 随時受け付けや単発参加、オンラインという入口があり、年度の途中でも入れる(実施の有無・申し込み方法・費用は自治体や会によって異なるため、2026年時点の各窓口の案内を確認してください)

今夜はここまでで大丈夫です。明日、少し時間があるときに、お住まいの都道府県名と「発達障害者支援センター」で検索して、電話番号をひとつメモするところまでやってみてください。かけるのは、その次の日でも間に合います。

よくある質問

診断がなくても親の会に参加できますか?

診断の有無を問わずに受け入れている会は多くあります。発達が気になる段階や、検査の結果を待っている段階での参加を歓迎している会もあります。入会の条件は会ごとに決まっているため、申し込みの前に「診断はまだですが参加できますか」と一言たずねると確実です。

ペアレントメンターへの相談は無料ですか?

自治体の事業として行われているものは、無料としている地域があります。東京都のペアレントメンター事業も静岡市の個別相談も、2026年時点で利用料はかかりません。ただし実施の有無や申し込み方法は地域によって違うので、お住まいの発達障害者支援センターに確認してください。

オンラインだけで参加できる親の会はありますか?

オンラインの定例会や座談会を開いている会があります。顔を出さずに音声だけ、あるいは文字だけで参加できる形を選べることもあります。地域の会がオンラインを併用している場合もあるため、問い合わせのときに「オンラインでも参加できますか」と聞いてみてください。

参加したら必ず発言しないといけませんか?

聞くだけの参加を認めている会がほとんどです。自己紹介も、名前を言わずにニックネームだけで済ませられる会があります。話したくないことは話さなくてよいという前提で運営されている場が多いので、最初は聞き役に回って構いません。

年度の途中でも入れますか?

随時受け付けている会が多く、年度の区切りを待つ必要はありません。入会せずに単発で参加できる茶話会や勉強会を開いている会もあります。就学相談が動く秋から冬は同じ学年の保護者が集まりやすい時期でもあるため、思い立ったときに問い合わせて差し支えありません。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。