白い壁の前に立つ幼児の後ろ姿と、背負った黄色いライオン柄の通園リュック。園にも療育にも同じかばんで通う場面 🤝 療育・支援サービス
療育・支援サービス 公開: 2026年9月16日

並行通園とは?療育と幼稚園・保育園の両立|週のパターンと園への伝え方

この記事の目次
  1. 並行通園とは?「併行通園」と書くこともあります
  2. 週の通い方はどんなパターンがある?
  3. 並行通園で期待できることと、正直な負担
  4. 園にはどう伝える?欠席の扱い・連絡帳・情報の共有
  5. 子どもが疲れているサインと、減らす・やめるの判断
  6. 年度の途中からでも始められます|いま9月から動く手順
  7. 園に「うちでは受け入れられない」と言われたら
  8. まとめ

療育が朝10時からで、幼稚園には11時半から行くことになりそうだ。連絡帳に「本日は療育のため遅れて登園します」と毎週書くのだろうか。バスのお迎えの列に、うちの子だけいない日ができる——。通い先が決まった安心と同じくらい、園をどうするかで手が止まっている方へ書きます。

先に結論です。園に在籍したまま療育に通う形は並行通園と呼ばれ、国もこの形を進める方向を示しています。こども家庭庁の児童発達支援ガイドラインは、保育所や認定こども園、幼稚園との併行利用や移行を推進していくことを、支援の基本的な考え方として挙げています。園を休ませることを後ろめたく思わなくて大丈夫です。

この記事では、週の通い方のパターン、期待できることと正直な負担、園への伝え方と欠席の扱い、送迎、疲れているときの見極め、そして年度の途中からいま動く手順までを順番に整理します。

並行通園とは?「併行通園」と書くこともあります

並行通園は、保育所・幼稚園・認定こども園に在籍したまま、週に何日か児童発達支援に通う形です。園をやめる必要はありません。堺市は並行通園クラスについて、申込日の時点で保育所、幼稚園、こども園などに在籍している子が対象だと案内しています。

検索すると「並行通園」と「併行通園」の両方が出てきて戸惑うかもしれません。どちらも同じことを指しています。堺市や狛江市の案内は並行通園クラスという書き方で、国のガイドラインでは併行利用という言葉が使われています。字が違うだけなので、どちらで調べても同じ話にたどり着けます。

園に籍を置かず、平日をまるごと児童発達支援で過ごす形は単独通園や毎日通園と呼ばれ、堺市では2〜5歳児が週5日で通年という設定です。並行通園はその対極ではなく、園の生活を土台にしたまま支援の時間を足す形だと考えると近くなります。

通うには通所受給者証が必要です。手続きの流れは通所受給者証の申請の流れにまとめました。

💡 園を休ませることは、遠回りではありません

国が示している方向は「園か療育か」ではなく、園と療育の両方を行き来しながら育つという形です。週に1日園をお休みすることを、集団から離してしまうことのように感じなくて大丈夫です。

週の通い方はどんなパターンがある?

通い方は1つではありません。実際に自治体が案内している形を並べます。

通い方実際の例こんなときに
週1日・通年堺市の並行通園クラス(おひさまクラス)は4〜5歳児が週1日、通年園の生活を崩さず長く続けたい
月2日・半年堺市のつばさクラス(社会性に課題のある子が対象)は月2日、半年目的を決めて短い期間で取り組みたい
午後だけ・週1日狛江市の並行通園クラスは午後2時30分から4時30分の週1日園を休ませずに通いたい
午前だけ・週1〜2日午前に療育へ行き、昼から園へ登園する朝のほうが力を出しやすい子
長期休みに集中夏休みや冬休みに回数を増やし、学期中は減らす園の行事と重ねたくない

ここで、いちばん多い迷いに答えます。「毎回途中から園に行くのは、子どもにとってどうなのか」という迷いです。答えのひとつは時間帯を変えることで、午後の枠を持っている事業所なら、園を休まずに通えます。狛江市の並行通園クラスが午後2時30分からなのは、園の生活を守るための組み立てでもあります。見学のときに「午後の枠はありますか」と聞くだけで、選べる形が増えます。

回数そのものの決め方は療育は週何回がいい?にまとめています。迷ったら少なめから始めて、あとから増やすほうが立て直しやすくなります。

並行通園で期待できることと、正直な負担

いい面だけを書いても決められないので、両方を並べます。

期待できること知っておきたいこと
少人数の場で試したことを園の集団で使ってみる、という往復ができる変化の出方は子どもによって違い、すぐ目に見えるとは限らない
園と事業所の両方から子どもの様子が届くようになる予定が2本立てになり、行事と重なる週が出てくる
園の先生に渡せる具体的な工夫が増える持ち物と連絡先が2セットになる
満3歳になって初めての4月1日から3年間は、園も療育も無償化の対象食費や教材費など、実費の分は引き続きかかる
同じ立場の保護者と出会う場が増える始めて1〜2か月は、子どもの疲れが出やすい

お金の心配は早めに外しておきましょう。こども家庭庁は、無償化の対象になる期間を満3歳になって初めての4月1日から3年間としたうえで、幼稚園・保育所・認定こども園などと児童発達支援などの両方を利用する場合は、両方とも無償化の対象になると明記しています。この無償化のために新しい手続きをする必要もありません。ただし、食費や医療費など、これまで実費で払っているものは変わらずかかります。

効果の話も正直に書きます。「療育に通えば伸びる」と書かれた記事を見かけても、そのとおりになると約束されているわけではありません。国のガイドラインが示しているのは、園と事業所が支援の内容を共有して、子どもがどちらの場所でも過ごしやすくなるようにする、という組み立てです。変わるのは子どもだけでなく、囲む大人の関わり方のほうが先という順番で考えると、期待の置きどころがずれません。

送迎はどうなる?仕事と両立するために確認する3つ

事業所を選ぶときに、内容より先に効いてくるのが送迎です。見学で必ず聞いておきたいのは次の3つです。

  • 送迎の範囲:自宅と事業所の間だけなのか、園まで迎えに行けるのか。事業所によって違い、園の側が外部の送迎を受け入れるかどうかも別に確認が要ります
  • 時間帯:午前か午後か。仕事を中抜けするのか、時短にするのか、祖父母に頼むのかが、ここでほぼ決まります
  • 休むときの連絡:園と事業所の両方に連絡が必要な日があります。誰がどちらへ連絡するかを、始める前に家庭の中で決めておきます

送迎のない事業所を選ぶと、週1日でも半日が移動で埋まります。通えるかどうかではなく、毎週続けられるかどうかで選ぶほうが、あとで苦しくなりません。

手をつないで並木の遊歩道を歩く母と幼児の後ろ姿。療育へ送っていく朝の場面

園にはどう伝える?欠席の扱い・連絡帳・情報の共有

最初に伝える相手は担任の先生です。話が大きくなれば園長につないでもらえます。伝えることは3つだけで、いつから始まるか、何曜日の何時に抜けるか(または休むか)、療育でどんなことをするか、です。診断名まで説明する必要はありません。

園を休む日の扱いは、園ごとに違います。欠席になるのか遅刻や早退になるのか、給食を止められるのか、送迎バスはどうなるのか。最初の1回で全部聞いてしまうほうが、毎週のやりとりがぐっと減ります。確認しておきたいのは次の4つです。

  1. 休む日・遅れる日の連絡方法と締め切りの時刻
  2. 給食を止めるときの期限と、費用がかかるかどうか
  3. 送迎バスに乗らない日の連絡先と手順
  4. 行事の練習と重なったときに、どちらを優先するかの決め方

そして、いちばん背負い込みやすいのがここです。園と事業所の橋渡しを、親が全部やらなくて大丈夫です。国の児童発達支援ガイドラインは、事業所が行うこととして、併行利用先と子どもの状態や支援内容を共有すること、そして併行利用の場合の利用日数や利用時間の調整を挙げています。共有する中身の例として、得意なことと苦手なことの背景、声かけのタイミング、コミュニケーションの手段まで具体的に書かれています。事業所の見学のときに「園との情報共有はどうしていますか」と聞いてみてください。

⚠️ 通訳役をひとりで抱えないでください

園の話を事業所へ、事業所の話を園へ。この往復を保護者だけで続けると、いちばん先に消耗します。園との共有と日数の調整は、事業所の役割にも入っています。「直接やりとりしてもらえますか」と頼んで構いません。

園に来てもらう「保育所等訪問支援」という手もあります

もうひとつ、園を休まずにすむ方法があります。保育所等訪問支援は、支援の専門職が子どもの通う園に出向いて、子ども本人への支援と、園の先生への助言を行うサービスです。子どもが園を出る必要がないので、送迎の負担も増えません。

こども家庭庁の保育所等訪問支援ガイドラインは、支給量の目安を2週間に1回程度、ひと月に2回程度としたうえで、機械的にその回数で行うのではなく子どもの状態に応じて柔軟に対応する必要があると書いています。集団生活で不安定になっているときは頻度を高くし、園の受け入れ体制が整ってきたら間隔を空けていく、という動かし方です。1回の訪問は30分以上とされ、子ども本人や先生への支援に1時間程度、訪問後の話し合いでの報告に30分程度が基本になると示されています。

利用には受給者証が必要で、こちらも無償化の対象に入っています。園の中での配慮そのものを厚くしたい場合は、加配という枠での相談もあります。違いは保育園・幼稚園の加配とは?にまとめました。

子どもが疲れているサインと、減らす・やめるの判断

並行通園を始めて1〜2か月は、子どもの生活が2つのリズムをまたぐ時期になります。次のような様子が続いたら、量が合っていない合図として見てください。

  • 療育の日の朝だけ、支度が進まなくなる
  • 園でも療育でも、午後に眠ってしまう日が増える
  • 帰宅してからの崩れ方が、始める前より大きくなる
  • 週の後半にまとめて体調をくずす
  • 食欲や寝つきが変わる

見極めの順番は3段階です。まず1〜2週間、曜日と様子を短くメモします。次に、そのメモを園と事業所の両方に同じように見せます。そのうえで、回数・時間帯・曜日のどれを変えるかを一緒に決めます。やめるかどうかを考えるのは、減らしてみたあとで十分です。

言い出しにくく感じるかもしれませんが、国のガイドラインは「併行利用の場合の利用日数や利用時間等の調整」を事業所の支援の中身としてはっきり書いています。回数を減らす、時間を短くする、曜日を変えるという相談は、制度にあらかじめ織り込まれている話です。わがままではありません。

療育そのものを嫌がるようになったときの見方は療育に行きたがらないときにまとめています。

年度の途中からでも始められます|いま9月から動く手順

「4月から始めないと出遅れる」と感じて焦っている方へ。並行通園に、年度初めからでなければいけないという決まりはありません

ただし、入口が2種類あることは知っておくと動きやすくなります。市区町村が運営する児童発達支援センターの通園クラスは、年度単位で募集する形が多くあります。堺市は令和9年度の入園申込を令和8年10月1日から16日までの2週間で受け付けると案内していて、これは翌年度分の枠です。一方、民間の児童発達支援事業所は空きがあれば年度の途中でも契約できますし、受給者証の申請にも締め切りはありません。

つまり、いまの時期にできることは2つあって、しかも同時に進められます。空きのある事業所を探して年内に通い始めることと、来年度のセンターの枠に申し込むことです。

1
市区町村の窓口に電話する「児童発達支援を使いたい」と伝え、申請の予約と必要書類を聞く。来年度のセンターの募集時期も、このときに一緒に確認する。
2
事業所を1〜2か所見学する空いている曜日、午前と午後のどちらの枠か、送迎の範囲、園との情報共有のしかたを聞く。
3
園に一言だけ伝える「療育に通うことになりそうです。曜日が決まったら改めて相談させてください」で十分。細かい調整は決まってからでいい。
4
受給者証を申請する申請から届くまでは数週間から数か月。届いたら事業所と契約して、曜日と時間を決める。
5
通い始めてから園と調整する欠席の連絡方法、給食、バス、行事との重なりを、始まってから固めていけば間に合う。

秋は園の行事が立て込む時期でもあります。運動会や発表会が終わったあとの11月から冬にかけては、園の予定が落ち着いて、先生とゆっくり話しやすくなります。9月に動き出して通い始めが冬になっても、それは遅れではなく順番どおりです。

園に「うちでは受け入れられない」と言われたら

実際に言われる形は、だいたい3つに分かれます。休みが増えるのは困る、途中で抜けると他の子に説明できない、加配の先生がいないので対応できない、です。

言われた直後は園を変えることまで考えてしまうかもしれません。でも、最初にやることは条件を変えてみることです。断られた理由が中身ではなく形にある場合、形を変えると通ることがあります。

  • 時間帯を変える:午後の枠に移す、園の活動が落ち着く時間に合わせる。園を休まずにすむ形になれば、園の心配はかなり小さくなります
  • 保育所等訪問支援に切り替える:子どもが園を出ずにすみ、支援の中心は先生への助言になります。目的が先生を支えることにもあると伝えると、受け止め方が変わることがあります
  • 市区町村の担当課に相談する:障害福祉の窓口や子ども発達支援の担当課に、園との調整で困っていると伝えます。間に入ってもらえる場合があります
  • 相談支援専門員に入ってもらう:受給者証の計画を相談支援事業所に頼んでいるなら、園との調整もその人の仕事の範囲です
  • 加配の枠で相談し直す:園の中での配慮として整理し直すと、話が前に進むことがあります

国のガイドラインは、園の職員が障害のある子への対応に不安を抱えている場合に、保育所等訪問支援などを積極的に活用することが重要だとしています。園が渋る理由は、子どもを拒んでいるというより、どう対応すればいいか分からないことにある場合があります。だからこそ、外から人が入る形が効きます。断られたところで終わりではありません。

まとめ

  • 並行通園は、園に在籍したまま療育に通う形です。「併行通園」「併行利用」と書かれることもあり、どれも同じことを指しています
  • 国のガイドラインは園との併行利用を進める方向を示しています。週に1日園を休むことを、後ろめたく思わなくて大丈夫です
  • 通い方は週1日で通年、月2日で半年、午後だけの週1日などさまざまです。午後の枠なら園を休まずに通えます
  • 満3歳になって初めての4月1日から3年間は、園と療育の両方を使っても両方とも無償化の対象になります。食費などの実費は別です
  • 園との情報共有と、通う日数・時間の調整は、事業所の役割にも入っています。通訳役を親が抱え込まなくて大丈夫です
  • 年度の途中でも始められます。センターの通園クラスは年度単位の募集が多い一方、民間の事業所は空きがあれば随時です
  • 制度の運用は市区町村ごとに違います。2026年時点の目安として読み、最後は住んでいる市区町村と園の案内で確かめてください

今夜はここまでで大丈夫です。明日、園に行ったときに担任の先生へ「療育に通うことになりそうなので、近いうちに一度お時間をいただけますか」と一言だけ伝えてみてください。曜日も書類も、決めるのはそのあとで間に合います。

よくある質問

「並行通園」と「併行通園」は違うものですか?

同じことを指しています。園に在籍したまま児童発達支援に通う形を、自治体やセンターの案内では並行通園とも併行通園とも書きます。国のガイドラインでは「併行利用」という言い方になっています。どの字で検索しても、たどり着く情報は同じです。

並行通園は週に何日くらい通うものですか?

週1日から始める形がよく見られます。堺市の並行通園クラスは4〜5歳児が週1日で通年、もう一方のクラスは月2日で半年という設定です。狛江市は午後2時30分から4時30分までの週1日としています。何日が合うかは子どもの体力と園の予定で変わるので、少なめから始めて後で増やすほうが立て直しやすくなります。

園を休んで療育に行くと、保育料は安くなりますか?

休んだ日数の分だけ保育料が下がる仕組みは一般的ではありません。ただし満3歳になって初めての4月1日からの3年間は、幼稚園・保育所・認定こども園などと児童発達支援の両方を使っても、両方とも無償化の対象になるとこども家庭庁が案内しています。食費や教材費など実費で払っている分は引き続きかかります。休んだ日の給食費の扱いは園ごとに違うので確認してください。

療育の送迎は園まで来てもらえますか?

事業所によって違います。自宅と事業所の間だけ送迎する事業所もあれば、園まで迎えに行く事業所もあります。事業所ができるかどうかと、園がそれを受け入れるかどうかの両方を確認する必要があります。見学のときに「園への送迎はできますか」と先に聞いておくと、仕事の予定が立てやすくなります。

年度の途中からでも並行通園を始められますか?

始められます。市区町村が運営する児童発達支援センターの通園クラスは年度単位で募集する例が多い一方、民間の児童発達支援事業所は空きがあれば年度の途中でも契約できます。受給者証の申請にも締め切りはありません。9月や10月に動き出しても遅くはありません。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。