手をつないで施設へ向かう親子の後ろ姿。子どもを預けに行く朝のイメージ 🤝 療育・支援サービス
療育・支援サービス 公開: 2026年7月25日

日中一時支援とは?放課後等デイサービスとの違い・料金・申し込みの流れ

この記事の目次
  1. 日中一時支援とは?結論から
  2. 放課後等デイサービス・日中一時支援・短期入所の違い
  3. 日中一時支援の料金はいくら?2026年時点の考え方
  4. 利用できる日数と時間はどのくらい?
  5. 申し込みの流れと、かかる期間
  6. 夏休みの途中でも間に合う?今から動くときの順番
  7. 「今すぐ必要ではない」家庭が登録しておく理由
  8. まとめ

放課後等デイサービスは週3日しか取れなかった、夏休みの日中をどう埋めるか毎週やりくりしている、自分が熱を出したら誰に頼めばいいのか分からない——。預け先を探しているうちに「日中一時支援」という言葉を見つけて、ここにたどり着いた方へ。先に結論をお伝えすると、日中一時支援は放課後等デイサービスとは別の枠で使える、市区町村の預かりの仕組みです。この記事では、制度の中身、放デイや短期入所との違い、料金と日数の考え方、申し込みの流れ、そして夏休みの途中である今から動いたらどうなるかを順に整理します。

日中一時支援とは?結論から

日中一時支援は、障害のある人を日中の時間帯に一時的に預かって、見守りや活動の場を提供する事業です。札幌市は、日中に介護する人がいないため一時的に見守りなどの支援が必要な方を対象に、事業所で見守りと活動の場を提供する事業だと案内しています。

押さえておきたいのは次の3点です。

  • 市区町村がやっている事業です。厚生労働省は日中一時支援を、障害者総合支援法にもとづく地域生活支援事業のひとつに挙げています。地域生活支援事業とは、国が細かく決めるのではなく、地域の実情に合わせて自治体が中身を組み立てる仕組みのことです。
  • 全国一律のルールではありません。対象になる人、1か月に使える回数、料金、預かってもらえる時間帯は、市区町村ごとに違います。
  • 放課後等デイサービスとは別の制度です。放デイは児童福祉法の障害児通所支援、日中一時支援は障害者総合支援法の地域生活支援事業。枠が別なので、両方に登録して使い分けられる自治体があります。

つまり、この記事の情報だけで金額も日数も決まりません。最後に頼りになるのは、お住まいの市区町村の窓口です。この先は、その窓口で何を聞けばいいかが分かるように書いていきます。

放課後等デイサービス・日中一時支援・短期入所の違い

3つは「預かってもらえる」点だけが似ていて、目的も根拠も別々です。表で並べます。

項目放課後等デイサービス日中一時支援短期入所(ショートステイ)
根拠となる制度児童福祉法の障害児通所支援障害者総合支援法の地域生活支援事業障害者総合支援法の介護給付
主な目的個別支援計画にもとづく発達支援日中の見守りと活動の場の提供・家族の休息介護する人が病気などのときの短期の入所
誰がルールを決めるか国の基準+市区町村の支給決定市区町村(地域ごとに中身が違う)国の基準+市区町村の支給決定
使える時間帯放課後と学校の休業日の日中日中が中心(夕方まで広げる自治体もある)日中から宿泊まで
宿泊なし原則なしあり
必要なもの障害児通所受給者証市区町村への利用登録(受給者証や登録証)障害福祉サービス受給者証
料金の考え方原則1割負担+世帯ごとの上限月額市区町村が決める(多くは1割負担+実費)原則1割負担+食費などの実費

厚生労働省は短期入所を、介護する人の病気などの理由で短期間の入所が必要になったときのサービスと説明しています。入浴・排せつ・食事の介護もそこに含まれます。宿泊があるかどうかが、短期入所と日中一時支援を分けるいちばん分かりやすい線です。

見落としやすい点がもう1つあります。日中一時支援の対象を「短期入所の支給決定を受けた人」または「短期入所の支給要件を満たす障害児」と定める自治体があることです。福岡市はこの形をとっています。この場合は日中一時支援を単独で申し込むのではなく、短期入所の手続きとセットで進みます。見学を予約する前に窓口で確かめておくと二度手間になりません。

放課後等デイサービスと学童の使い分けは学童と放課後等デイサービスどっちを選ぶ?にまとめています。

日中一時支援の料金はいくら?2026年時点の考え方

金額を先に知りたい気持ちは分かります。ただ、日中一時支援の料金は市区町村が決めるので、全国共通の金額表はありません。2026年時点で、多くの自治体に共通している考え方は次のとおりです。

  • 利用料は原則1割負担。札幌市は、補助基準の1割に相当する額がかかると案内しています
  • 食費や光熱費、教材費などは実費。札幌市も、1割負担に加えてこれらの実費がかかると明記しています
  • 住民税非課税世帯と生活保護世帯は負担なしとする自治体が多い
  • 世帯の所得に応じた上限を置く自治体もあれば、1回あたりの負担額だけを決める自治体もある

比べる相手として、放課後等デイサービスの負担上限は国が全国一律で決めています。こども家庭庁は2026年時点で、生活保護世帯と市町村民税非課税世帯が0円、市町村民税所得割28万円未満の世帯が月4,600円、それ以外の世帯が月37,200円としています。日中一時支援には、これと同じ全国共通の表がありません。

だから、料金を調べるときに検索する言葉は「日中一時支援 料金」ではありません。「(お住まいの市区町村名) 日中一時支援」です。ページに金額が出ていなければ、電話で1回あたりの負担額と食事代の扱いを聞けば教えてもらえます。

玄関脇の床に並ぶスニーカーと、上着をかけたリュック。預けに行く日の支度のイメージ

利用できる日数と時間はどのくらい?

日数の上限も自治体が決めます。福岡市は1か月10回を限度としています。他にも、月あたりの回数で決める、年間の時間数で決める、1日の利用時間に上限を置く、といった決め方があります。

窓口で聞くときは、次の4つを順番に確認すると全体像がつかめます。

  1. 1か月に何回(何時間)まで使えるか
  2. 1回あたり何時から何時まで預かってもらえるか
  3. 土日祝や学校の長期休みも対象になるか
  4. 放課後等デイサービスと同じ月に併用できるか

長期休みは希望が集中しやすく、枠が残っていても事業所側の受け入れ人数で決まります。休みに入る前の月から相談を始めておくと調整の余地が残ります。長期休み全体の組み立て方は夏休みの過ごし方もどうぞ。

申し込みの流れと、かかる期間

利用登録が必要な自治体では、おおむね次の流れになります。

1
市区町村の障害福祉窓口に相談する子どもの状況と、どんな場面で預かってほしいかを伝える。対象になるかをここで判定してもらう。
2
支給申請と聞き取り調査申請書を出し、家庭の状況や介護の状況について面談での聞き取りを受ける。医師の意見書を求められることもある。
3
受給者証・利用登録証の交付使える回数や時間の枠が決まって手元に届く。有効期間が年度末までと決められている自治体もある。
4
事業所を見学して契約する空き状況を確認し、送迎の範囲や食事の扱いを聞いたうえで契約を結ぶ。
5
利用開始初回は短い時間から始め、本人の反応を見ながら回数を増やしていく形が取りやすい。

正直にお伝えすると、この流れには数週間から1か月以上かかることがあります。聞き取り調査の日程調整、決定通知が届くまでの事務、事業所の空き待ちが、それぞれ日数を食うためです。

短くできる場合もあります。すでに障害福祉サービスの受給者証を持っているなら、日中一時支援を追加する変更申請から入れることがあり、一から申請するより早く進みます。受給者証そのものの位置づけは受給者証と療育手帳の違いで整理しています。

夏休みの途中でも間に合う?今から動くときの順番

「長期休みに備えて早めに登録を」という案内は、休みが始まってから読むと役に立ちません。いま困っている前提で、今日から動く順番を書きます。

✅ 今週やる3つの電話

  • 市区町村の障害福祉担当に電話して、日中一時支援がこの夏に間に合うかを直接聞く
  • 受給者証をすでに持っているなら、追加の変更申請で進められるかを同じ電話で確認する
  • 間に合わないと言われたら、その電話を切る前に「では今使える預け先を教えてください」と続けて聞く

3つ目が肝心です。窓口は制度ごとに担当が分かれていて、聞かれたことにだけ答える形になりがちです。こちらから「今の困りごとは夏休みの日中です」と言い切ると、別の受け皿を出してもらえます。間に合わないときに現実的な選択肢は次のとおりです。

当面の選択肢相談先動き方
放デイの利用日数を増やす障害福祉担当・相談支援専門員支給量の変更申請。事業所の空きがあれば当月から動くこともある
放デイの事業所を追加する相談支援専門員受給者証の枠内で別の事業所と契約し、曜日を分ける
学童(放課後児童クラブ)に相談する子育て支援担当夏休みだけの受け入れ枠を設ける自治体がある
ファミリー・サポート・センター市区町村の窓口地域の会員が短時間預かる仕組み。事前の会員登録が要る
障害児者向けの一時預かり障害福祉担当日中一時支援とは別枠の一時預かりを持つ自治体がある

当たりを引けない日もあります。それでも、この夏のうちに登録の手続きを進めておけば、冬休みと来年の夏は枠が用意された状態で迎えられます。今からの申請は、今日のためではなく次の長期休みのために効きます。

「今すぐ必要ではない」家庭が登録しておく理由

日中一時支援を、切羽詰まる前に登録しておく家庭があります。理由は主に2つです。

1つは、親が倒れたときの備えです。入院や事故は予告なく来ます。そのときに初めて申請すると、聞き取り調査から始まって間に合いません。登録さえ済んでいれば、事業所の空きを探す段階から動けます。

もう1つは、子ども自身を慣らしておくためです。初めての場所、初めての職員、初めての流れ。緊急時にその全部をいきなり経験させるより、元気なうちに月1回でも通っておいたほうが本人の負担は軽くなります。

🌱 預けることは、手を抜くことではありません

日中一時支援は、家族が休むことも目的に含んだ制度です。国がこの仕組みを用意しているのは、家族が一人で抱え続ける前提を置いていないからです。「まだ頑張れるから」と先延ばしにしなくて大丈夫。使うかどうかは、登録したあとで決められます。

親の消耗が限界に近いときの立て直し方は発達障害の子育てに疲れたときににも書いています。

まとめ

  • 日中一時支援は、障害のある人を日中一時的に預かって見守りと活動の場を提供する、市区町村の事業です
  • 国が全国一律に決めていないため、対象・料金・回数・時間帯は市区町村ごとに違います
  • 放課後等デイサービスとは制度の枠が別で、両方に登録して使い分けられる自治体があります
  • 料金は多くの自治体で1割負担に食費などの実費が加わる形。非課税世帯を無料とする自治体が多く見られます
  • 申請から利用開始まで数週間から1か月以上かかることがあります。受給者証を持っているなら追加申請で早く進む場合があります

今夜はここまでで大丈夫です。明日、お住まいの市区町村名と「日中一時支援」で検索して、担当課の電話番号だけメモしてください。かけるのは明後日でも構いません。

よくある質問

日中一時支援と放課後等デイサービスは併用できますか?

制度の枠が別なので、両方に登録して使い分けられる自治体があります。放課後等デイサービスは児童福祉法の障害児通所支援、日中一時支援は障害者総合支援法にもとづく市区町村の事業です。ただし併用の可否や上限は自治体ごとに決められているため、障害福祉の窓口で確認してください。

療育手帳や障害者手帳がないと日中一時支援は使えませんか?

対象の決め方は自治体によって異なります。手帳の所持を条件にしている自治体もあれば、短期入所の支給要件を満たす障害児を対象にしている自治体もあります。手帳がない場合でも門前払いになるとは限らないので、まず窓口に子どもの状況を伝えて確認するのが早道です。

日中一時支援は何歳から何歳まで使えますか?

年齢の区切りも市区町村が決めます。障害児と障害者の両方を対象にしている自治体が多く、就学前から成人まで幅広く使える形が一般的です。放課後等デイサービスのように学校に通っていることが条件になるわけではないため、卒業後の預け先として続けて使えることもあります。

急に親が入院したとき、日中一時支援はすぐ使えますか?

利用登録が済んでいれば事業所の空き状況しだいで動けますが、登録が未了だと申請から始めることになり間に合わないことがあります。緊急時の対応窓口を持っている自治体もあるので、まずは障害福祉の担当課に電話してください。備えとして、必要になる前に登録だけ済ませておく家庭もあります。

日中一時支援と短期入所(ショートステイ)はどう違いますか?

いちばん分かりやすい違いは宿泊の有無です。日中一時支援は日中の時間帯の預かりが基本で、短期入所は宿泊を伴う入所サービスです。短期入所は障害者総合支援法の介護給付にあたり、支給決定を受けた障害福祉サービス受給者証が必要になります。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。