🏫 園・学校生活 夏休み明けの行き渋り|二学期に行きたくない子への今日からの対応と相談先
この記事の目次
玄関で靴を持ったまま固まっている。おなかが痛いと言って布団から出てこない。昨日まで平気そうだったのに、今朝になって「行きたくない」と泣き出した。夏休みが終わるころ、こういう朝が前ぶれなくやってきます。まずお伝えします。これは怠けでも、育て方のせいでもありません。この記事では、すでに二学期が始まっている場合に今日と明日できること、朝の二択にしない選択肢、学校への伝え方の例文、休ませる判断の目安と相談先をまとめました。まだ夏休み中の方は、後半の準備のところから読んでも大丈夫です。
もう二学期が始まっている場合:今日と明日にできること
今朝の目標は「なんとか登校させること」ではなく、子どもと家族が明日も動ける状態で一日を終えることです。次の順番で動いてみてください。
まず取りたい対応は、朝の様子によって変わります。迷ったときの早見表です。
| 今朝の子どもの様子 | まず取りたい対応 |
|---|---|
| 玄関までは来るが足が止まる | 校門か昇降口まで一緒に行き、先生に引き継ぐ |
| 泣く・叫ぶ・体をこわばらせる | 登校の話をやめて座らせ、落ち着いてから予定を決める |
| 頭痛・腹痛・吐き気を訴える | 体温と食欲を確認して休ませる。続くなら受診を検討する |
| 布団から出られない・言葉が出ない | 無理に起こさず、学校へ連絡だけ入れる |
| 前の晩から不安が強い | 持ち物と時間割を一緒に見て、朝にやることを1つ減らす |
「今日は休む」を選んだ日も、翌朝また同じとは限りません。一日ずつ決めていく形で十分です。
夏休み明けに行き渋りが増えるのはなぜ?
40日ぶんの変化が、一日で一気に戻ってくるからです。発達に特性のある子は、この切り替えの負担がとくに大きくなります。負荷は主に4つの方向から重なります。
- 生活リズムのずれ:起床が1〜2時間遅くなった状態から、いきなり平日の朝に戻ります
- 環境の切り替えの苦手さ:見通しが立ちにくい子ほど、久しぶりの教室で何が起きるか分からず不安が高まります
- 感覚の刺激が一気に戻る:チャイム、上ばきの感触、教室のざわつき、給食のにおいが同時に押し寄せます
- 人間関係のリセット:席替えや係の組み直しで、距離の取り方をつくり直すことになります
学校の側もこの時期を特別に見ています。文部科学省は毎年、長期休業の前から明けにかけて、担任や養護教諭を中心にきめ細かな健康観察を行うよう学校に求めています。この時期に子どもが不安定になるのはあらかじめ想定されている出来事です。
💡 責任の所在はここにありません
夏休みの過ごし方が悪かったから、甘やかしたから、ではありません。行き渋りは、負荷が重なったときに体と心が出す自然な反応です。今朝うまくいかなかったことは、あなたの育て方の結果ではありません。
朝ごねたとき、「行く」か「休む」の二択にしない
朝の対応が苦しくなる一番の原因は、選択肢を2つしか持っていないことです。実際には、その中間がいくつもあります。

| 選択肢 | 向いている場面 | 学校にお願いすること |
|---|---|---|
| 遅刻して登校する | 朝の支度や登校班が負担 | 到着のおおよその時刻、昇降口での受け入れ |
| 保護者が付き添って登校する | 教室までの道のりで不安が強い | 保護者が入れる範囲と、離れるタイミング |
| 保健室や別室で過ごす | 教室のざわつきや人数がつらい | 使える時間帯と、担当の先生 |
| 短時間だけ登校して帰る | 給食や午後の授業が山場 | 早退の連絡方法と荷物の受け渡し |
| 今日は休む | 体の症状や限界のサインが出ている | 欠席の連絡と、宿題やプリントの扱い |
遅刻や早退、別室で過ごした時間がどう記録されるかは学校によって違うので、気になる場合は担任に確認しておきましょう。付き添い登校をいつまで続けるか迷っているときは、付き添い登校はいつまで続ける?もあわせて読んでみてください。
学校にどう伝える?連絡帳と電話の例文
伝える相手は、まず担任です。あわせて特別支援教育コーディネーター、養護教諭、スクールカウンセラーが学校の中の相談先になります。行き渋りが始まった段階で伝えて構いません。伝える中身は、次の3つで十分です。
- 起きている事実(いつから、朝どんな様子か)
- 家でしていること(前日に持ち物を確認している、など)
- お願いしたいこと(遅刻の受け入れ、保健室の利用など)
連絡帳に書く場合の例文です。
いつもお世話になっております。夏休み明けから朝の不安が強く、今朝も玄関で泣いて止まってしまいました。本人は、教室のざわざわした音がつらいと話しています。しばらく遅れて登校する日があるかもしれません。つらそうなときに保健室を使わせていただけると助かります。
電話ならもっと短くて大丈夫です。
◯年◯組の◯◯の保護者です。今朝おなかが痛いと言っていて、登校を渋っています。今日は9時ごろに私が送っていきます。教室に入りづらいときの過ごし方を、一度ご相談させてください。
診断名や家庭の事情を細かく説明する必要はありません。むしろ何をしてほしいかを1つ具体的に伝えるほうが、学校側も動きやすくなります。
休ませる判断の目安と、休んだ日の過ごし方
休ませるかどうかは、気持ちの強さで決めるものではありません。次のどちらに近いかで考えると、判断がぶれにくくなります。
🚶 登校の形を調整してみる
- 行きたくないと言いつつ準備は進む
- 体の症状は出ていない
- 夜は眠れている
- 「◯◯があるから嫌」と理由を言える
🛏️ 今日は休ませる
- 発熱・嘔吐など体の症状がある
- 2日以上、食欲が落ちている
- 夜眠れず、朝まで起きている
- 促すと激しく取り乱す・言葉が出ない
文部科学省の通知は、不登校の時期が休養や自分を見つめ直す積極的な意味を持つ場合があるとしたうえで、登校するという結果のみを目標にしないよう示しています。休ませることは、支援の放棄ではありません。
休んだ日の家での過ごし方は、次の5つが目安です。
- 起床時刻はできる範囲で保つ。昼まで寝ると翌朝がさらに重くなります
- 「なんで行かないの」と問い詰めない。答えられない子のほうが多いです
- ゲームや動画は時間を決める。ゼロにする必要はありません
- 学校の話は、本人が話したいときだけ聞く
- 洗濯物をたたむなど、家の中の小さな役割を1つ持ってもらう
一日じゅう機嫌よく過ごせなくても構いません。家が休める場所であるほうが大切です。保護者自身が消耗してきたら、子育てに疲れたときの休み方も読んでみてください。
夏休み中にできる準備(まだ間に合う人向け)
始業日まで日数がある場合は、次の5つを少しずつ進めておくと負担が下がります。完璧にそろえる必要はありません。
- 就寝と起床を1日15〜30分ずつ前に戻す:残り1週間からでも間に合います
- 持ち物と時間割を本人に並べてもらう:当日の見通しが立ちやすくなります
- 学校の場所に短時間だけ行ってみる:校庭や通学路まででも構いません
- 始業日と行事、給食開始日をカレンダーに書き込む:予定が見える形になります
- 「行きたくないと言ってもいい」と先に伝える:言えない子ほど、朝に体の症状として出やすくなります
朝が起きられない状態が続いているなら発達障害の子が寝ない・夜中に起きるときの対応、休みの残りの設計は夏休みの過ごし方も参考になります。
長引くとき・気になるサインがあるときの相談先
行き渋りが2週間以上続く、日ごとに強くなるというときは、家庭だけで抱えずに相談先を増やしてください。
- 担任・特別支援教育コーディネーター・養護教諭:教室での様子と、学校の中でできる調整を相談する
- スクールカウンセラー:保護者も面談を申し込めます。予約は学校を通します
- 市区町村の教育相談窓口・教育支援センター(適応指導教室):学校以外の居場所と学習の場で、文部科学省は不登校支援の中核と位置づけています
- かかりつけ医・かかりつけの発達外来:体の症状が続くとき、睡眠が崩れているとき
なお文部科学省は、18歳以下の自殺が8月下旬から9月中旬という長期休業明けに増える傾向があるとして、毎年この時期に学校へ通知を出しています。こども家庭庁も、子ども自身が使える相談窓口の周知を進めています。だからこの時期は、次のような変化を少し早めに拾ってほしいのです。
- 食べられない日が続く、体重が目に見えて減った
- 夜眠れない、朝方まで起きている
- 頭痛や腹痛の訴えが2週間以上続いている
- 好きだったものに興味を示さなくなった
- 表情が乏しくなり、口数が減った
- 「いなくなりたい」「消えたい」という言葉が出た
こうした変化が重なるときは、様子を見るより先に相談してください。文部科学省の24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)は、子ども本人だけでなく保護者も、夜間や休日を含めて無料でかけられます。迷う段階でつながって大丈夫です。
まとめ
- 夏休み明けの行き渋りは、生活リズム・見通し・感覚刺激・人間関係の負荷が重なって起きる反応で、怠けでも育て方のせいでもありません
- 二学期が始まっているなら、今朝の目標は登校ではなく「明日も動ける状態で終えること」です
- 朝の選択肢は二択ではなく、遅刻登校・付き添い・保健室・短時間登校という中間があります
- 学校には、事実・家でしていること・お願いしたいことの3つを短く伝えれば十分です
- 体の症状や睡眠の乱れがあるときは休ませてよく、文部科学省も登校という結果のみを目標にしないよう示しています
- 2週間以上続くときや気になるサインが重なるときは、スクールカウンセラーや教育支援センター、24時間子供SOSダイヤルへ早めに相談を
今夜はここまでで大丈夫です。明日やることは1つだけ、朝の目標を「校門まで」「9時に送る」「今日は休む」のどれか1つに決めておくこと。学校への連絡も相談も、それが決まってからで間に合います。
よくある質問
夏休み明けに「学校に行きたくない」と言われたら、休ませていいですか?
体の症状が出ている、夜眠れていない、登校を促すと激しく取り乱す。このいずれかが当てはまるときは、休ませて大丈夫です。文部科学省の通知でも、休む時期が休養や自分を見つめ直す意味を持つ場合があると示されています。休ませた日は学校へ連絡だけ入れておくと、その後の相談がしやすくなります。
行き渋りが2週間以上続きます。どこに相談すればいいですか?
まず担任に現状を伝え、あわせてスクールカウンセラーの面談を申し込んでください。学校とは別の場所がよければ、市区町村の教育相談窓口や教育支援センター(適応指導教室)が相談を受け付けています。体調不良の訴えが強い場合は、かかりつけ医やかかりつけの発達外来にも相談しておくと安心です。
遅刻して登校させるのは、かえって本人がつらくなりませんか?
朝の会や登校班が負担になっている子にとっては、時間をずらすほうがラクになることがあります。ただし、みんなが座っている教室に一人で入るのが苦手な子もいます。どちらがつらいかは子どもによって違うので、担任に昇降口での受け入れや別室からの合流など、入り方の工夫を相談してみてください。
夏休み明けの行き渋りは、どのくらいで落ち着きますか?
数日で戻る子もいれば、二学期のあいだずっと波がある子もいます。期間を決めて焦らないほうが、結果的に早く落ち着くことが多いです。2週間以上続く、体の症状が強まる、家でも笑顔が減ったという変化があるときは、学校やスクールカウンセラーに早めに相談してください。