マンションの並ぶ道を、荷物を持った大人と小さな子どもが歩いて帰っていく後ろ姿。園のお迎えの帰り道のイメージ 🌸 保護者のこころとくらし
保護者のこころとくらし 公開: 2026年5月12日

保育園・幼稚園から発達障害を指摘されたら|気持ちの受け止め方と最初の相談先

この記事の目次
  1. 保育園・幼稚園から発達障害を指摘されたら、まず気持ちを置いていい
  2. 園の先生に聞き返したいこと|場面・いつから・園での工夫
  3. 家では困っていないのに、なぜ園で指摘されるの?
  4. 最初の相談先はどこ?保健センター・発達相談・かかりつけ小児科
  5. 2歳・3歳・4歳・5歳で、指摘の意味は少しずつ違う
  6. 「違った」「様子見」と言われたら?相談したこと自体が情報になる
  7. まとめ

お迎えのとき、先生から「少しお時間いいですか」と呼び止められる。「集団の中で気になる様子があって、一度どこかで相談してみては」と言われ、うなずくのが精いっぱいだった。帰り道、手をつないで歩くわが子はいつもどおりなのに、自分だけが別の場所にいるような気がする——。

その夜にこの記事を開いたあなたに、先に結論をお伝えします。園からの指摘は診断ではありません。毎日たくさんの子を見ている先生が気づいた「様子の報告」です。この記事では、言われた直後の気持ちの受け止め方、先生に聞き返したいこと、家と園で様子が違う理由、最初の相談先と流れ、「違った」「様子見」と言われたときの考え方を順にまとめます。

保育園・幼稚園から発達障害を指摘されたら、まず気持ちを置いていい

指摘された直後に、何かを決める必要はありません。まずは自分の中に湧いた気持ちを、そのまま認めるところからで大丈夫です。

ショックで頭が真っ白になる。「うちの子のことを分かっていない」と腹が立つ。「家では困っていないのに」と否定したくなる。どれも、親としてとても自然な反応です。国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターも、子どもの発達について伝えられることは親にとって大きな衝撃で、悲しみや怒り、認めたくない気持ちが生じるのは当然だと、支援する側に向けて説明しています。

もう一つ、同じページには、発達の心配があると多くの親が「自分の育て方が悪かったのでは」と責めてしまうことも書かれています。でも、発達の特徴は親の愛情やしつけの量で決まるものではありません。

🌱 今夜、決めなくて大丈夫です

ショックも怒りも、否定したい気持ちも、わが子を大事に思っているからこそ出てくるものです。指摘は診断ではなく、育て方のせいでもありません。気持ちが落ち着いてから、次の一歩を考えれば十分間に合います。

気持ちが少し落ち着いたら、夫婦など一番身近な大人に、先生から言われた言葉をそのまま伝えてみてください。一人で抱えていると、言われた一言がどんどん大きく感じられてしまいます。

園の先生に聞き返したいこと|場面・いつから・園での工夫

次にやることは、先生から具体的な様子を聞くことです。「集団で気になる」だけでは、家で何を見ればいいのか、相談先で何を話せばいいのかが分かりません。

お迎え時の立ち話では、先生も親も落ち着いて話せません。「もう少し詳しく聞きたいので、10〜15分ほどお時間をいただけますか」と、別の日に時間を取ってもらうのがおすすめです。聞いておきたいのは、次のようなことです。全部でなくても、3〜4個で十分です。

  • どんな場面で気になりますか(朝の会・製作・外遊び・お昼寝・行事の練習など)
  • いつごろから気になっていますか。最近増えていますか
  • 毎日のことですか、特定の日や時間帯だけですか
  • そのとき、子ども本人は困っている様子ですか
  • 園で工夫していることと、それでうまくいったことはありますか
  • 先生が「得意だな」「好きだな」と感じていることは何ですか
  • 相談先に、園での様子を伝えてもいいですか
  • 次はいつごろ、また様子を教えてもらえますか

聞くときは「家でも同じ関わり方をしたいので教えてください」と伝えると、話がぐっと前向きになります。保育所保育指針でも、子どもに障害や発達上の課題が見られる場合、園は市町村や関係機関と協力しながら保護者を個別に支えるよう努めることになっています。先生は敵ではなく、これから一緒に子どもを見ていく相手です。

「一斉指示が通らない」と具体的に言われた場合は、園で「一斉指示が通らない」と言われたら?に、その場面に絞った聞き方と家での確かめ方をまとめています。

家では困っていないのに、なぜ園で指摘されるの?

家で困っていないのは、親の見る目がないからではありません。家と園では、子どもに求められていることがまるで違うからです。

家では、大人が子どもの名前を呼んで1対1で話しかけます。次に何をするかも、子どもはだいたい分かっています。大人が自然と先回りして、困る前に手を貸していることも多いはずです。一方の園では、20人前後の子どもが同じ部屋にいて、先生の声は「みんな」に向けられます。物音や友だちの動きなど、気が散るものもたくさんあります。

発達障害情報・支援センターは、保育所での気づきのポイントとして、おしゃべりは上手なのに先生の指示が伝わりにくい子や、話を聞く場面で席を離れてしまう子の例を挙げています。こうした様子は、集団の中で初めて見えてくるものです。同時に、気になる行動には理由があり、環境や関わり方を工夫することで軽くなることもあると伝えています。

だから、家と園の様子がずれているのは、どちらかが間違っているということではありません。両方とも本当の姿で、相談先ではその両方が役に立ちます。先生から聞いた様子は、次のように言い換えておくと相談のときに伝わりやすくなります。

園で見えている様子(先生の言葉)相談のときにこう伝えると伝わる
集団で気になる様子がある朝の会と製作の時間に、席を立って別の遊びを始めることが週に何回かある
お友だちとのトラブルが多いおもちゃの貸し借りの場面で手が出ることがある。家ではきょうだいとは遊べている
指示が伝わりにくいみんなへの声かけでは動けないが、名前を呼ばれると動ける
切り替えが苦手外遊びから部屋に戻るとき、泣いて動けなくなることが多い
行事の練習に参加しにくい音の大きい場所や人が多い場所で、耳をふさいだり隅に行ったりする

この表は、子どもに当てはめて何かを判定するためのものではありません。「いつ・どこで・何が起きて・家ではどうか」をそろえておくと、短い相談時間でも話が進みやすくなる、という道具として使ってください。

園の廊下に置かれた水色の靴箱に、子どもたちの上履きや外靴が並んでいる様子

最初の相談先はどこ?保健センター・発達相談・かかりつけ小児科

最初の1本は、住んでいる市区町村の保健センターか、発達相談の窓口への電話で十分です。相談したからといって、すぐに検査や療育が決まるわけではありません。

1
先生から具体的な様子を聞く場面・いつから・園での工夫を、メモにしておきます。
2
保健センター・発達相談に電話する「園から発達の相談をすすめられました」とそのまま伝えれば大丈夫です。
3
保健師などとの面談・園での様子の確認話を聞いたうえで、必要なら園に様子を見に行く自治体もあります。
4
次の行き先を一緒に考える様子を見る、親子教室、発達検査、医療機関などから選びます。

窓口の名前や担当課は自治体によって違います。「子育て支援課」「こども家庭センター」「発達支援センター」などの名前で案内されていることもあります。どこにかければいいか分からないときは、役所の子育て支援の窓口に「園から発達の相談をすすめられた」と伝えれば、担当につないでもらえます(2026年時点)。年齢別の窓口は発達障害の相談窓口はどこ?で一覧にしています。

いつも通っている小児科の先生に、健診や予防接種のついでに話してみるのも一つの方法です。必要があれば専門の医療機関を紹介してもらえます。受診するならどこがいいかは発達障害の受診は何科?を参考にしてください。

2歳・3歳・4歳・5歳で、指摘の意味は少しずつ違う

指摘された年齢によって、先生が見ている場面や、相談の急ぎ具合は少し変わります。どの年齢でも、相談して損になることはありません。

2歳は、ことばも集団の経験も始まったばかりで、個人差がとても大きい時期です。保育園での指摘は、言葉の出方や、友だちへの関心の向け方についてのことが多くなります。

3歳は、幼稚園の年少で初めて集団に入る子も多い時期です。入園して間もないころは、園の流れに慣れていないだけのこともあります。夏休み前など時期を決めて、先生にもう一度様子を聞く約束をしておくと安心です。

4歳になると、ルールのある遊びや、みんなで同じことをする活動が増えます。そのぶん、集団の中での苦手さが見えやすくなります。

5歳は、小学校入学が近づく時期です。自治体によっては5歳児健診があり、教育委員会の就学相談も選択肢に入ってきます。入学前に、学校と配慮について話し合っておく時間を取れるのは、この時期ならではです。

「違った」「様子見」と言われたら?相談したこと自体が情報になる

相談の結果、「年齢相応ですね」「しばらく様子を見ましょう」と言われることもあります。そのときに「相談しなければよかった」と思う必要はまったくありません。

専門職に見てもらって何もなかったら、それは「今は特別な支援がなくても大丈夫そうだ」という、はっきりした情報です。先生にも「相談したら、こう言われました」と伝えれば、園での見方や関わり方の参考になります。

「様子見」と言われたときは、何を見て、いつ見直すかを決めておくのがコツです。たとえば「半年後にもう一度相談する」「3歳児健診のときに今回のことも話す」と決めておくと、待つ時間が不安だけの時間になりにくくなります。

逆に、相談の結果、支援があったほうがよいと言われることもあります。そのときに気持ちがついていかなくても、それも自然なことです。気持ちが追いつかないまま支援を始める方法は、子どもの発達障害を受け入れられない親へにまとめています。

💡 覚えておきたいこと

園からの指摘は診断ではなく、相談したから診断がつくわけでもありません。「違った」も「様子見」も、子どもを知るための大事な情報です。動いたことが損になることはありません。

まとめ

  • 園からの指摘は診断ではなく、先生が気づいた様子の報告
  • ショック・怒り・否定したい気持ちは自然な反応で、育て方のせいではない
  • 先生には「どの場面で・いつから・園での工夫」を、時間を取って聞く
  • 家と園で様子が違うのは、求められていることが違うから。両方が相談の材料になる
  • 最初の相談先は、市区町村の保健センターや発達相談への電話1本でよい

今夜はここまでで大丈夫です。明日のお迎えのときに、先生に「詳しく聞きたいので、別の日に少し時間をもらえますか」と1つだけお願いしてみてください。

よくある質問

保育園から発達相談をすすめられたら、必ず行かないといけませんか?

義務ではなく、行くかどうかは保護者が決められます。ただ、相談は診断の場ではなく、子どもの様子を専門職と一緒に整理する場です。迷うときは、先生から具体的な様子を聞いたうえで、電話相談だけしてみるという小さな始め方もあります。

相談したら、すぐに発達障害と診断されてしまいますか?

相談しただけで診断がつくことはありません。保健センターや発達相談では、まず話を聞き、必要があれば発達検査や医療機関、親子教室などを一緒に考えます。相談の結果、年齢相応と言われて終わることもあります。

園の先生の指摘に納得できないときは、どうすればいいですか?

納得できない気持ちは、そのまま先生に伝えてかまいません。そのうえで、どの場面で何が起きているのかを具体的に聞き、家での様子も伝えてみてください。園と家の両方の情報を持って第三者の専門職に相談すると、どちらの見方が正しいかではなく、子どもに何が必要かという話に変わっていきます。

指摘されたことを、きょうだいや祖父母にも話したほうがいいですか?

急いで話す必要はありません。まずは夫婦など一番身近な大人と、先生から聞いた内容を共有するところからで十分です。相談先で話を聞いてから、誰にどこまで伝えるかを考えても遅くありません。

参考・出典

本記事は公的機関等の公開情報をもとに作成した一般的な情報提供であり、医学的な診断・助言に代わるものではありません。 制度の内容はお住まいの自治体や時期によって異なる場合があります。最新の情報は各公式窓口でご確認ください。