🏫 園・学校生活 通信制高校の学費はいくら?2026年度の無償化で対象になる費用・ならない費用|サポート校・スクーリング費も
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夕飯の片づけのあと、通信制高校のパンフレットを3冊並べてみる。授業料の書き方が「1単位いくら」「年額いくら」「支援金を引いた額」とばらばらで、どれが安いのか比べられない。ニュースで「高校無償化」と聞いたけれど、スクーリングの宿泊費やサポート校の費用まで無料になるのかは、どこにも書いていない。
比べにくいのは当然です。学費の書き方は学校ごとに違い、国の支援が届く範囲も項目ごとに違うからです。ただ、仕組みは一度ほどけば同じ物差しで並べられます。
結論から言うと、2026年4月から就学支援金の所得制限がなくなり、通信制高校の授業料は上限まで国が支援します。ただし支援されるのは授業料だけで、入学金・施設設備費・教材費・スクーリングの交通費や宿泊費・サポート校の費用は対象外です。この記事では、文部科学省の資料をもとに、対象になる費用とならない費用、発達障害や不登校の子の学校選びで見落としやすい出費、入学後と転入時の手続きを順に整理します。制度の内容は2026年10月19日に確認しました。
通信制高校の学費の内訳:支援金の対象になる費用・ならない費用
通信制高校で払うお金は、授業料と、それ以外の費用の2つに分かれます。 就学支援金が充てられるのは授業料だけです。パンフレットに出てくる主な項目を、支援金の対象かどうかで分けるとこうなります。
| 項目 | 内容の例 | 就学支援金の対象 |
|---|---|---|
| 授業料 | 1単位ごと、または年額で決まる | 対象(上限まで) |
| 入学金・入学検定料 | 入学のときに1回 | 対象外 |
| 施設設備費・教育関連諸費 | 毎年かかることが多い | 対象外 |
| 教科書・教材費 | 学年や科目で変わる | 対象外 |
| スクーリングの参加費・交通費・宿泊費 | 会場や日数で変わる | 対象外 |
| サポート校・通学コースの費用 | 通う日数や支援の内容で変わる | 対象外 |
授業料の決め方は大きく2通りです。履修する単位の数で決まる「単位制」の学校と、年額や月額で決まる学校があります。高校の卒業に必要な単位は74単位以上なので、3年で卒業するなら1年に25単位前後を履修する計算になります。
文部科学省の通信制高校のよくある質問では、学費は学校によって違い、授業料とは別に、連携している施設が独自に行う活動の費用がかかる場合があると案内しています。表の下の4行が、この「授業料とは別」の部分です。
2026年度の高校無償化で何が変わった?通信制の就学支援金
2026年4月1日に法律が改正され、就学支援金は世帯の年収にかかわらず受けられるようになりました。 日本国内に住む日本国籍の生徒などが対象です。いわゆる高校無償化は、この就学支援金の拡充のことを指しています。
通信制の支給の上限は、公立か私立か、授業料の決め方で変わります。文部科学省の資料から通信制の部分を抜き出すとこうです。
| 通信制の区分 | 単位ごとに授業料が決まる学校 | 年額・月額で授業料が決まる学校 |
|---|---|---|
| 私立 | 1単位13,668円まで | 月28,100円(年337,200円)まで |
| 公立 | 1単位336円まで | 月520円まで |
単位制の場合、支援の対象は1年に30単位、卒業までに通算74単位までです。支給の期間は、通信制では通算48か月までです。2025年度までの私立通信制の上限は、年収590万円未満の世帯で年297,000円、590万円以上910万円未満で118,800円でした。新制度で上限が上がり、年収による区切りもなくなりました。
💡 年収で授業料の支援が打ち切られる心配は、もうありません
2026年4月からは、通信制の授業料も年収に関係なく上限まで支援されます。わが家で確かめるのは「授業料が上限の内側か」と「授業料以外にいくらかかるか」の2つだけです。
上限の内側に授業料が収まれば、授業料の負担はなくなります。上限を超える学校では、差額を家庭が払います。たとえば1単位15,000円で25単位を履修すると、授業料は375,000円です。支援の上限は13,668円×25単位で341,700円なので、差額の33,300円が家庭の負担になります。
公立の通信制は、都道府県が授業料を決めています。金額は入学を考えている都道府県の募集案内で確かめてください。国籍や在留資格によって新制度の対象外になる生徒には、旧制度と同じ水準の別の支援があります。当てはまる場合は、学校に相談してください。
無償化の対象外になる費用:見落としやすい5つ
授業料が支援されても、学費表の外側にあるお金は家庭の負担のまま残ります。 入学を決める前に、次の5つを見積もりに入れておくと、あとで慌てずにすみます。
- サポート校・通学コースの費用:文部科学省のQ&Aは、サポート校は就学支援金の対象ではないと明記しています。通う日数が多いほど金額が大きくなりやすい部分です
- 施設設備費・教育関連諸費:授業料とは別に毎年かかる学校が多く、3年分を足すと差が出ます
- 教科書・教材費:学校によっては、学習用のパソコンやタブレットの購入が必要です
- スクーリングの交通費・宿泊費:会場が遠い学校や、泊まりがけのスクーリングがある学校では、毎年の旅費になります
- 上限を超えた分:1年に31単位目からと、通算74単位を超えた分は支援されません。前の高校の在学期間も48か月に数えます

サポート校と通信制高校の費用が重なる仕組みは、サポート校と通信制高校の違いで詳しく整理しています。
発達障害・不登校の子の学校選びで見落としやすい出費
発達障害や不登校の子の学校選びでは、「どこまで通えるか」と「どんな支えが要るか」で、かかるお金が大きく変わります。 授業料の比較だけでは、実際の負担は見えてきません。
まず、通う日数です。朝が苦手な子や、人の多い場所で疲れやすい子は、週1日から始めて少しずつ増やす通い方を選ぶことがあります。通う日数を途中で変えられる学校では、学年の途中で費用が変わる場合があるので、変えたときの金額も聞いておきましょう。
次に、個別の支えにかかるお金です。少人数のクラスや、個別の学習サポート、カウンセリングの時間が、学費に含まれているのか、別料金なのかは学校ごとに違います。パンフレットでは同じ「サポートあり」に見えても、中身と費用はそろっていません。
そして、スクーリングの形です。泊まりがけのスクーリングや、大きな会場での集団の授業に不安がある子もいます。近くの会場を選べるか、日帰りで受けられるかで、交通費や宿泊費も、子どもの負担も変わります。
学費の内訳は学校ごとに書き方が違うので、気になる学校の募集要項を2〜3校分そろえて、最初の表の行に当てはめると差が見えてきます。時間割のないネットコースと、週1日から週5日まで通うコースから通い方を選べる【N高等学校】
のように、通い方の選択肢が多い学校は、パンフレットと募集要項を無料で取り寄せて、通い方ごとの金額を同じ表に書き込んでおくと比べやすくなります。N高の学費と支援金の差し引き方の具体例は、N高の学費と就学支援金で計算しています。
すでに出願した・転入を考えている人の申請手続き
就学支援金は自動では支給されず、入学後に申請して初めて受けられます。 いまは出願の時期なので、手続きは春になってからです。新入生の流れは次のとおりです。
気をつけたいのは、支給が原則として申し込んだ月から始まる点です。提出が遅れると、その間の月の分を受けられないことがあります。学校から案内が来たら、期日を手帳に書いておきましょう。
学校によっては、支給が決まるまで授業料をいったん払い、支援金の分が後で戻る形をとります。入学前にまとまったお金が要るかどうかは、出願先に確かめておくと安心です。
いまの高校から通信制へ移る転入では、前の高校にいた月数も支給期間に数えます。 文部科学省は、全日制に20か月いた生徒が通信制に移ると、通信制で支給されるのは22か月分という例を示しています。転入が決まったら、転入先の学校の案内に従って、早めに手続きをしてください。高校をいったん辞めて入り直す場合に48か月を超えてしまうときは、学び直しの支援という別の制度があります。転入の時期や単位の考え方は、通信制高校への転入・編入にまとめています。
都道府県の支援と、授業料以外を支える奨学給付金
国の就学支援金とは別に、都道府県が独自の支援をしている場合があります。 東京都は、都内に住み、ほかの県が認可した私立の通信制高校に通う生徒の保護者向けに、条件を満たせば授業料の助成を受けられる制度を案内しています。2026年度の申請時期や中身は、2026年9月の更新時点では決まり次第知らせるとしています。ほかの道府県の制度は、住んでいる都道府県の私学助成の窓口で確かめてください。
授業料以外の負担には、国の高校生等奨学給付金が使える場合があります。教科書代や教材費などに充てる、返済のいらない給付金で、就学支援金とは別に申し込みます。2026年度の通信制の給付額(年額)はこうです。
| 世帯の条件(2026年度) | 国公立の通信制 | 私立の通信制 |
|---|---|---|
| 生活保護を受けている | 32,300円 | 52,600円 |
| 住民税非課税(年収の目安270万円未満) | 50,500円 | 52,100円 |
| 年収の目安が270万〜380万円 | 16,830円 | 17,370円 |
| 年収の目安が380万〜490万円 | 12,630円 | 13,030円 |
年収の目安は、両親の一方が働き、高校生と中学生がいる4人家族の例です。申し込み先は住んでいる都道府県か学校で、実施の状況は都道府県によって違います。新入生は4〜6月に一部を早めに受け取る申請もできます。
資料請求・個別相談で確かめること
資料が届いたら、お金の話は次の5つに絞って聞くと、わが家の金額がはっきりします。
✅ お金について学校に聞く5つの質問
- 授業料は1単位いくらか(就学支援金の上限の内側か)
- 授業料以外に毎年かかる費用の合計はいくらか
- スクーリングの会場・日数と、泊まりがけかどうか
- 個別のサポートやカウンセリングは学費に含まれるか
- 支援金が決まるまで、授業料をいったん払う必要があるか
全日制や定時制、特別支援学校も含めて通い方から比べたいときは、発達障害の子の高校選びガイドも参考にしてください。
まとめ
- 2026年4月から、通信制高校の授業料も年収に関係なく就学支援金の対象(日本国籍の生徒など)
- 私立の通信制の上限は1単位13,668円(年30単位・通算74単位まで)、または月28,100円
- 入学金・施設設備費・教材費・スクーリング費・サポート校の費用は支援金の対象外
- 新入生の申請は入学後の4月から。転入は前の高校の在学月数も数える
- 授業料以外は、世帯の条件で奨学給付金や都道府県の支援を受けられる場合がある
今夜はここまでで大丈夫です。明日、手元のパンフレットを1冊だけ開いて、授業料が「1単位いくら」かを最初の表に書き込んでみてください。
よくある質問
通信制高校は2026年度から完全に無料になったのですか?
無料になったのは、支援金の上限までの授業料です。私立の通信制で単位ごとに授業料が決まる学校なら、1単位13,668円が上限で、それを超える分や、入学金・施設設備費・教材費・スクーリング費・サポート校の費用は家庭の負担です。学費表の項目ごとに、支援金の対象かを学校に確かめてください。
通信制高校の就学支援金に所得制限はありますか?
2026年4月からの新制度では所得制限がなくなりました。日本国内に住む日本国籍の生徒などは、世帯の年収にかかわらず対象です。国籍や在留資格によっては新制度の対象外になり、旧制度と同じ水準の別の支援を受ける形になります。
就学支援金は家庭の口座に振り込まれますか?
振り込まれません。学校が生徒の代わりに受け取り、授業料に充てます。学校によっては、支給が決まるまで授業料をいったん払い、後から支援金の分が戻る形をとるので、払い方は入学前に学校に確かめておくと安心です。
サポート校の費用に使える補助はありますか?
国の就学支援金はサポート校の費用には使えません。都道府県が独自の補助をしている場合はあるので、住んでいる都道府県の私学助成の窓口や、入学を考えている学校に一度聞いてみてください。
参考・出典
- 文部科学省「高校生等への修学支援」(就学支援金の新制度・改正法の成立と施行日・申請手続きの案内)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度の概要」(所得制限なし・対象者・通信制の支給限度額と支給期間・年30単位と通算74単位)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金・新制度【日本国籍の方用】」リーフレット(私立通信制の支給上限年額・授業料を徴収して後日還付する場合・e-Shienでの申請)
- 文部科学省「令和8年度における申請・認定手続き(イメージ)【日本国籍の方用】」(新入生は4月に申請開始・5〜6月に認定)
- 文部科学省「高等学校等就学支援金制度に関するQ&A」(サポート校は対象外・申し込んだ月からの支給・転学したときの支給期間・学び直しの支援)
- 文部科学省「分かる・見つかる通信制高等学校」よくある質問(学費・連携施設の費用)
- 文部科学省「高校生等奨学給付金」リーフレット(令和8年度の対象世帯と通信制の給付額)
- 東京都生活文化局「私立都認可外通信制高等学校在学生授業料助成金(都の制度)」(2026年9月24日更新)